ラブリーボーン

ラブリーボーン

本日は二本観てきました。まず一本目は

ラブリーボーン」です。

評価:(45/100点) – サスペンスというよりはスイーツ・ラブストーリー。


【あらすじ】

スージー・サーモンは両親と妹と弟の5人で幸せに暮らしていた。しかしある日中学校からの帰り道で向かいに住むジョージに殺害されてしまう。死後の世界へと旅だったスージーだったが、家族のことが心配でこの世とあの世の”狭間”に留まることにする。しばらく発って、スージーの家族はストレスから崩壊、ジョージは新たにスージーの妹・リンジーを狙い始めた。

【三幕構成】

第1幕 -> スージーと家族の日常とレイとの恋。
 ※第1ターニングポイント -> スージーが殺される
第2幕 -> 父の捜査と家族崩壊。
 ※第2ターニングポイント -> スージーが自身の死を受け入れる。
第3幕 -> リンジーの捜査とスージーの成仏。

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【感想】

とてもかっちりした構成の作品です。第一ターニングポイントはきっちり開始30分で来ますし、第2ターニングポイントはわざわざ暗転してシーンが変わります。非常にオーソドックスというか普段映画をあまり観ない人にも親切な作り方です。
実際、多少冗長に思う部分はあるものの終盤までは非常にスムーズに展開が進んでいきます。そしてスージー役のシアーシャ・ローナンも15歳とは思えないほど素晴らしい演技を見せてくれます。
と、ここまでは絶賛モードなんですが、いまいち微妙な雰囲気になるのはひとえに終盤の展開によるものです。
せっかく「犯人が妹を連れ去って、父親の捜索に手を貸す幽霊」的なベタなストーリーで盛り上げられるにもかかわらず、終盤のサスペンスシーンは「木の床板をそっと戻す」というこれ以上なくショボい展開のみで終わってしまいます。さらにはとってつけたような因果応報・悪が滅びるストーリーや急に道徳的になるスージー等、それまでの話を全て台無しにしてしまう程の超展開で観客全てを置き去りにして斜め上に突っ走ります。
正直な所、最後の30分までは80点~90点つけても良いほどの出来でした。せっかく前振りをして物語を積み上げていったにも関わらず、最後は家族をほっといて色ボケに走るバカ女のせいでメチャクチャです(笑)。
また、演出面もあまりいただけません。CGはさすがの出来ですし特にあの世の描写は本当に綺麗ですが、一方でスローモ-ションにコーラス曲を合わせる演出がしつこく繰り返されてちょっとイライラします。でも、前半のジョージの顔を隠す演出はなかなか上手いです。ピンボケやフレーム見切れを上手く利用して、何を考えているか分からない不審者としての犯人を表現しています。その割に顔がきちんと映るのが早すぎるんですが、まぁ引っ張っても「木の床板サスペンス」では面白くならないので、これで良いのではないでしょうか。面白くなる要素がそろっているだけに、つくづくラストが心残りです。

【まとめ】

良くも悪くもピーター・ジャクソン監督が仕事と割り切って適当に作るときの傾向が出ています(笑)。
きっと「ディストリクト9」のプロデュースが忙しくて片手間になったのかなとか思いつつ、時間が空いている方にはオススメ出来ます!
でもたぶん後悔するので、半年後にDVDで観た方がダメージは少ないかも知れません。一番おもしろかったのは開始前に流れた「第9地区」と「ブルーノ」の予告編でした(笑)。

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