インフォーマント!

インフォーマント!

インフォーマント!」を見てきました。
「味の素」とか実名出していいのか心配になってしまいました。

評価:(20/100点) – マット・デイモンじゃね、、、そこだけじゃないですけど、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ウィテカーの工場でウィルス汚染が見られ、日本から脅迫電話を受ける。
 ※第1ターニングポイント -> ブライアン捜査官に価格カルテルをリークし、ウィテカーがスパイになる。
第2幕 -> FBIのスパイとしてのウィテカーの活躍。そしてADMに強制捜査が入り、幹部連中が逮捕される。
 ※第2ターニングポイント -> ウィテカーの裏金作りが判明する。
第3幕 -> ウィテカーの正体と顛末。


【あらすじ】

マーク・ウィテカーはADM社の最年少幹部である。彼の管轄であるコーンからリジンを生成する工場から、ある日ウィルス汚染が検出され生産量が目標に到達しなくなってしまう。そんな彼の元に日本から脅迫電話が掛かってくる。ADM社に産業スパイがおり、その内通者がウィルスを混入したという。事件に発展しFBIから協力を求められるウィテカーは、別件としてADM社が行っている世界を股にかけた価格カルテルの情報をFBIにリークする。興味をもったFBIはウィテカーに証拠集めの協力を指示、ウィテカーはFBIのスパイとしてミーティングの盗聴や書類の横流しに協力していく、、、。


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【感想】

スティーブン・ソダーバーグ監督でマット・デイモン主演、制作ジョージ・クルーニーということでオーシャンズ・シリーズが連想されますが、まぁかなり微妙な出来になっています。というのも、この作品は全体を通して目的地がボケボケだからです。
「ちょ、、、おま、、、話が変わってんじゃねぇか、、、。<30分後> あれ、、、また話変わった、、、どういうこと?」
こんな感じで110分間シリアスな状況の上で笑えないギャグを延々とやってる映像を見せられて辟易するというか、イライラしてきます。
ここからはネタバレ全開となります。もし本作を未見で超楽しみにしている方はご注意ください。

構成の問題

本作は話の構成が煩雑すぎます。上記の「話が変わる」という点なのですが、本作では大きく3つの事件が起こります。はじめにリジン生成工場のウィルス汚染問題。次にADM社の価格カルテルの問題。最後にウィテカーの「双極性障害(=躁鬱病:超気分屋)」と彼の犯罪についてです。
ところが本作をブラック・コメディにしようとしたために、この3つの事件がどれもとっちらかってしまっていて、まったく深く入り込まないんです。実話をもとにした作品であればこそ下手な事は書けないということかもしれませんが、それにしても酷いです。
本作を乱暴にまとめてしまえば「虚言癖の酷いウィテカーがヒーローになろうとして、実際にヒーローになって、そして失脚する話」です。なのでウィテカーがヒーローになるところで観客がカタルシスを得ることが必須な訳です。さもなければ失脚するところに落差が出なくて面白くありません。ですが肝心のヒーローになるところ、すなわちウィテカーが内部告発者として大企業の犯罪を世間に暴くところがまったく盛り上がりません。それはひとえに犯罪全体の重大さとウィテカーの活躍がいまいち描かれないからです。幹部達が逮捕されるシーンは本来ならばクライマックス級に盛り上がらなければなりませんが、実際に逮捕される瞬間ですら手錠掛けや取り調べがなく非常にショボいです。これじゃウィテカーの正体がばれた時も全然すっきりしません。単なるマヌケにしか見えないわけです。

スティーブン・ソダーバーグについて

スティーブン・ソダーバーグというと近年ではオーシャンズ・シリーズで知られていますが、元は職人肌の優等生監督です。非常に手堅い脚本と手堅い撮影で、どんな題材でもそれなりにこなしてしまいます。一方で、この手堅さが面白くない理由にもなってしまっていまして、デビュー作の「セックスと嘘とビデオテープ」でパルム・ドールを獲得した後はそれなりの作品を続けています。アカデミー監督賞なんかも獲ってますが、ファンが付く監督と言うよりは、業界関係者に重宝されるタイプの監督です。
本作「インフォーマント!」もある意味では非常にソダーバーグ監督らしい作品です。つまり、あまり盛り上がらない脚本をそれなりの編集テクニックでそれなりにまとめた佳作といったところです。あしざまに「糞映画!金返せ!」って感じでもありませんが、まぁ別に見なくても良いというか、たぶん来週には存在を忘れてると思いますw

【まとめ】

そんなわけで、本作はマット・デイモンという天才なのに大根役者で童顔なオッサンが醸し出す「とっちゃん坊や感」が悪い方に働いて、こじんまりとした学芸会的空気に包まれています。題材は面白いはずなんです。だって虚言癖全開でヒーローになりたい中年サラリーマンですよ。これをデビッド・リンチが撮ってたらたぶん大爆笑かつドラッギーな気持ちワル~い怪作になったはずです。もったいないな~と思いつつ、レンタルDVDで半額キャンペーン中に見るならオススメです!



余談ですが本作で最も気になっているのは、役作りのために太ったマット・デイモンがきちんとダイエット出来るかです。
もしやワールド・オブ・ライズのラッセル・クロウのように戻らなくなったりして、、、気懸かりですw

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