これが日本の音楽業界の現状です。

これが日本の音楽業界の現状です。

日は久々の雑談でございます。きゅうべいです。

皆さん、「コンフィデンス」という雑誌をご存じでしょうか?

いわゆる「オリコン」ってやつでして、もともと「オリジナルコンフィデンス」という名前の雑誌だったのですが、数年前に「コンフィデンス」に名前が変わりました。いわゆるコンビニなんかで売っている「オリコン」とは違いまして、定価5,000円もする業界週刊雑誌です。当然一般の方が買うのは想定しておらず、業界内では半分オリコン社へのお布施も込みで定期購読されております(笑)。

その新春号に2016年の年間セールスランキングが出ていましたので、今日はコレを酒の肴にグダグダと愚痴っていきましょう!それではまずは御覧ください!

速報版2016年 オリコン年間ランキング~シングル~
出典:「コンフィデンス2017新年特別号」

順位 枚数 タイトル アーティスト
1 1,519,387 翼はいらない AKB48
2 1,294,962 君はメロディー AKB48
3 1,213,660 LOVE TRIP/しあわせを分けなさい AKB48
4 1,202,533 ハイテンション AKB48
5 910,811 サヨナラの意味 乃木坂46
6 851,229 裸足でSummer 乃木坂46
7 828,533 I seek/Daylight
8 828,315 ハルジオンが咲く頃 乃木坂46
9 541,121 復活LOVE
10 471,619 Power of the Paradise
11 467,845 二人セゾン 欅坂46
12 439,774 世界に一つだけの花 SMAP
13 392,719 世界には愛しかない 欅坂46
14 376,871 サイレントマジョリティー 欅坂46
15 365,328 チキンLINE SKE48
16 363,583 僕はいない NMB48
17 332,231 最高かよ HKT48
18 324,415 金の愛、銀の愛 SKE48
19 308,610 真剣SUNSHINE Hey!Say!JUMP
20 305,137 74億分の1の君へ HKT48
21 300,357 罪と夏 関ジャニ∞
22 296,753 甘噛み姫 NMB48
23 291,356 Sha la la☆Summer Time Kis-My-Ft2
24 288,361 Fantastic Time Hey!Say!JUMP
25 238,550 Gravity Kis-My-Ft2
26 232,695 NOROSHI 関ジャニ∞
27 220,211 ANOTHER STARTING LINE Hi-STANDARD
28 217,975 YAMATO☆Dancing BOYS AND MEN
29 217,454 UNLOCK KAT-TUN
30 211,800 薔薇と太陽 Kinki Kids

「これが日本の音楽業界の現状です。 楽しんでいただけましたでしょうか。」

良い悪いは一旦置いておきまして、物凄い事になっています。この国ではアイドルファン以外が絶滅したんでしょうか? ヒャッハー!!!っていいながらアイドルCDを手裏剣にして戦う修羅の世界です。2005年ぐらいにアニメ「魔法先生ネギま!」の主題歌「ハッピー☆マテリアル」が歌番組のヒットチャートから無かったコトにされて大騒ぎになったことがありました。もし今アイドルソングをチャートから排除したら跡形も残らないかもしれません。ある意味で、音楽産業としては「進化/深化の最終型までいったかな」という雰囲気です。

あと、ちょっと面白いのは、AKB界隈でも乃木坂46が序列のナンバー2なんですね。最近アイドルから離れてしまっていたので感覚が止まってて、てっきりSKE48が2番手だと思ってました。確かにテレ東のWBSを見てるといつも流れるマウス・コンピューターのCMは、AKBグループとは思えないぐらい可愛いですもんね(失礼)。

これ、イメージ的には「新日本プロレス vs UWF」ですよね。身内でライバル団体を作って、内ゲバ交流戦でファンを煽るという(笑)。誰が武藤役で誰が高田役なのか分からないのがもどかしいところです。きっとそういうのが分かってるファンは今が一番楽しいんじゃないかな~とちょっと羨ましくも思います。

一方のジャニーズは、、、すいません。私、男アイドルはまったく分かりません^^; 握手会とか無いわりに頑張ってるな~と素直に感心してます。嵐(※7位)が218枚差と物凄い僅差で乃木坂46(※8位)に食い込んでおり、かろうじて男の面目を保ちました。アラシックvs乃木ヲタはまさしく「乃木坂ダービー」です。事務所が赤坂通りを挟んで200mぐらいしか離れてないですからね^^; 殴り合いにファミリーマート乃木坂駅前店の店員が巻き込まれていないか、とても心配です。たまに飲むヨーグルトを買ってますんで(笑)。きっと乃木大将も草葉の陰で大喜びでしょう。あと、ジャニーさん、ボーイズ・アンド・メン(※28位)はイジメないでね♡。生物の多様性は生態系の維持にとても重要です。

勝手なことをいいますと、「前前前世」をRADWIMPSがシングルカットしていたら、たぶん50万枚ぐらいは行けたんじゃないかってのはちょっと思います。商売としては単価が高いアルバムで大正解なんですが、なんかこう、音楽チャート文化に爪痕を残して欲しかったです^^;

こういうチャートって歴史に残るんですね。20年後とかに「あの頃のヒット曲」みたいな集計があると情報ソースになりますから。そういう意味で、いまこの瞬間の時代の空気としては、2016年を象徴する曲って「前前前世」と「世界に一つだけの花」なんじゃないかなと、個人的には思います。

「世界に一つだけの花」は今回のチャートで唯一既発曲なんです。すごく異質です。そうすると後世の人がこのチャートを分析したとき、「なんで2003年の曲がこんな所にいるんだ?」って話になって、そうするとジュリーさんと飯島女史の内ゲバとか、木村氏の翻意とか、そういうアレな事情が発掘されるわけです(笑)。でもそれが文化研究じゃないですか。

例えば「2014年の代表曲ってなんですか?」って聞かれたら、大抵の人はやっぱ「レット・イット・ゴー」を挙げると思います。ヒットチャートでダントツ・トップのAKB48「ラブラドール・レトリバー」を挙げる人は10年後にいるのかなっていう。まだ2年しか経ってない現時点でも、もうそれに近い空気はあると思います。「レット・イット・ゴー」のMayJのドヤ顔は忘れられませんが、「ラブラドール・レトリバー」はもはやワンフレーズも覚えていません。最初っから覚えてなかったんですけど(笑)。

たぶん服部氏が「これが日本の音楽業界の現状です。」って例の名言を残した2012年末で、歴史研究としては一区切りなんですね。このフレーズは将来、2000年代後半~2010年代の音楽業界を総括するフレーズとして必ず残ります。

私の青春だった「THA BLUE HERB」の名曲「孤憤」にこんなフレーズが有ります。

日本でトップのリリシストだの 日本で5本の指に入るプロデューサーだの
おだてられて調子乗ってるお前 はやし立てて一儲けしようと思ってるお前
こっから先てめぇらはゆっくり追い詰められる
黙殺しようと思っても不可能だ
うんざりするくらい目の前飛び回ってやる
てめぇらの考える程単純じゃねぇんだ
これから 札幌で皿売る時は 少しは質に気ぃつかえよ

――THA BLUE HERB「孤憤」より

当時は「おだてられて調子乗ってるお前」は小室ファミリーの事を指していたわけですが、いま聞いてもまだまだ思い浮かぶ顔が2~3あります(笑)。その小室ファミリーをクオリティで葬り去った宇多田ヒカルさんが去年カムバックして、いろいろと一石を投じてくれました。でも音楽業界は彼女におんぶに抱っこじゃあ、いかんのです。彼女を「一世代前の人」に押しやるぐらいのブランニューな波がこないといけません。

そういう点で、私個人としては結構「ロキノン系」に期待してるんです。ロキノン系自体は古いですけど、「凛として時雨」とか「ONE OK ROCK」とか近年でもちょくちょくヒットチャートに「正統派の中2バンド」が入ってきてたじゃないですか。RADWIMPS もモロにその系譜ですけど、彼等は「前前前世」でポップス寄りにイメチェンして来てるんですよね。一部で「バンプ・オブ・チキン」扱いされてましたが^^; それに「MAN WITH A MISSION」もいますし。

余談ですが、まだあんまり売れる前の「MAN WITH A MISSION」と経済産業省がやってるイベントでご一緒したことがあります。自分のブースで海外のレコード会社の偉い人が来るのを待って売り込みをするイベントで、トーキョー・タナカさんがブースに駆り出されてたんですね。自分で自分を売り込めと。でも全然お客さんが来なくて結構暇だったんです。その時に近くのブースだったんで、「それ暑くないですか」って聞いちゃったんですよ(笑)。そしたら「いや、もう慣れたんで暑いのは大丈夫です。痒いですけど。」って会話したのを覚えてます。超いい人でした^^

是非、いまロキノン系で活動している方達も、「俺達が握手会アイドルを駆逐するんだ!」ぐらいの心意気でポップス戦線になだれこんで来ないかな~と妄想しています。

そしたらね、それこそ「平成維震軍 vs nWo」が見られるわけですよ!野田洋次郎は越中詩郎になれ!!!お前は越中だ!サムライだ!野武士になれ!!!

という宣言を以って、本日の閉会の挨拶と替えさせていただきます。

ご精読、どうもありがとうございました。
m(_ _)m

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