セル

セル

今日は2本見てきました。1本目はこちら、

「セル」です。

評価:(35/100点) – オカルト侵略SFの凡作


【あらすじ】

クレイ・リデルは漫画家である。妻と息子を置いて放蕩の旅に出て1年が経ったが、やっと漫画の契約が取れて自宅へ戻ろうとしていた。そんなとき、空港で突然の暴動に巻き込まれる。どうも電話を使っていた人が凶暴化しているようだ。わけがわからないまま、クレイはやっとのことで空港を抜け出し地下鉄のホームまで辿りつく。地下鉄運転士のトムと共に、クレイは自宅を目指す、、、

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【感想】

今日の1本目はスティーブ・キング原作の映画化「セル」です。監督はパラノーマル・アクティビティ2のトッド・ウィリアムズ。脚本をスティーブン・キング本人が書いています。スティーブン・キングでホラーSFといえばお家芸なわけで、これは否が応でもB級の期待をするしかありません!

そして実際に見てみると、、、これ、B級が過ぎます(笑)。

どこかで見たような話のオンパレードでなんかちょっとパロディっぽさすらあり、あんまり盛り上がりません^^;

今回の一発アイデア風呂敷は、「ある瞬間に電話を使っていた人が急にゾンビみたいに凶暴化して襲ってくる」というものです。これ、すごいつい最近、まさにサミュエル・L・ジャクソンが出てた「キングスマン(2014)」にそのまんまのものがありました^^; もちろん小説の発表は「セル」が2006年で圧倒的に早いので全くパクりではないんですが、目新しさはありません。そして、途中で携帯人間がするある”進化”も、まんま「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013)」でエイリアンがやってたのと同じです。大人の男2人と子供の男女4人の珍道中というのもテンプレ的ですし、「いろんなところに立ち寄りながら絶望的なパターンを体験していく」というのもありがちです。

そんなこんなで、な~んかテンションあがらないな~と思って微妙に目が泳ぎながら見ていますと、急に頭にとある作品が浮かんできました(笑)。

これ、全体的な雰囲気がニコラス・ケイジの「ノウイング(2009)」に似てるんです。シャマラン的といいましょうか、アイデア一発でグワァーーーっと風呂敷を広げまくって、それが急激にしぼむ感じ。オカルトホラーなんだけど、な~んか微妙に小じんまりした感じ。以前「スカイライン-征服-(2010)」の時に「最近の侵略SFは主人公たちの無力さを表現するから楽しいんだ!」みたいなことを書きましたが、本作は主人公たちが縦横無尽の大活躍をして携帯人間共をたぶん数千体単位で退治します(笑)。そんなところも引っくるめて、ジャンル映画としても「なんか微妙」なんです。最後の最後の絵面だけは最高にニヤニヤできるんですが、そのために1時間半はキツいです、、、

ということで、無かったことにしましょう^^;

「アンダー・ザ・ドーム」「骨の袋」「11/22/63」と、最近のスティーブン・キング原作者はドラマで当たりが多かっただけに、久々にアレなのを見た気がします。

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マリアンヌ

マリアンヌ

先週末はロバート・ゼメキスの最新作

「マリアンヌ」を見ました。

評価:(40/100点) – オシャレ。以上!


【あらすじ】

時は1942年、モロッコのカサブランカ。RAF(ロイヤルエアフォース=イギリス王立空軍)のマックスは、ドイツ大使の暗殺任務を負ってスパイとして彼の地へ降りたった。マックスに先行して現地社会に潜り込んだフランス人工作員のマリアンヌとともに、マックスは作戦を遂行する。その過程でマックスはマリアンヌに惹かれていく、、、。

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【感想】

さてさて、先週末はロバート・ゼメキスの「マリアンヌ」を見てきました。

ロバート・ゼメキス監督に脚本がイースタン・プロミスのスティーヴン・ナイト、音楽は毎度コンビのアラン・シルヴェストリ。そして主演でブラッド・ピットとマリオン・コティヤール。ガッチガッチに固めてきているこのスタッフ・キャストリストを見ただけで、「こりゃ絶対オシャレないい映画になるんだろうな」という雰囲気をビンビンに出しています。

しかもタイトルが「ALLIED」ですよ。大戦中の連合軍を意味する「ALLIED」の文字間をちょっと開くことで、「ALL LIED = 全部 嘘だった」と「LIED = ドイツ語で”歌”」を掛けてくるというこのオシャレっぷり。

そして実際に見てみますと、、、お、、、オシャレしかない(笑)。

久々に凄いアレな映画がやってきました。雰囲気7割、音楽2割、内容1割。とてもオシャレでオシャレなオシャレ映画です。

前半後半で話が全然違う

本作は良くも悪くも古風な作りをしています。昔は3時間超えの映画だと真ん中に休憩が入ったじゃないですか。私が劇場で見て覚えているのだと、「サウンド・オブ・ミュージック」とか、「十戒」とか、「2001年宇宙の旅」とか。日本映画で最近だと、「愛のむきだし」とか「沈まぬ太陽」とかですかね。本作も、作りはモロにこの「休憩付き前半後半構成」の映画です。

本作の前半1時間はカナダ出身イギリス軍人のマックスがカサブランカで同じく同志マリアンヌと出会い、偽装夫婦としてドイツ大使を暗殺するというスパイものです。マックスがフランス語の訛りをケベック訛からパリ訛に特訓したり、モロッコの風習をマリアンヌに教わったりと、コッテコテのスパイものです。

後半ではうって変わってその18ヶ月後にすっ飛び、マリアンヌがマックスと結婚・引退してロンドン郊外で家庭をもつ話になります。そしてそこで、マリアンヌのダブルスパイ疑惑が浮上し、マックスが真相を探るために奔走します。

そう、この映画は、完全に前半と後半で話が分断されているんです。しかも肝心の中心人物であるマリアンヌが結構な形でキャラ変します(笑)。前半部分では「戦う女」だったマリアンヌは、後半は「子供と家庭の庇護者」としてマックスに守られる”か弱い”存在になります。そしてマックスも、家族を守る男と軍人との間で走り回ります。前半はとっても愉快なんですが、一方の後半は、とっても甘ったるい家族愛ものに変わります。サスペンス・探偵要素も特にありません。

そうなると、当然これはもうストーリーとかほったらかしでベテラン実力俳優の掛け合いを楽しむだけの映画になるわけで、「オシャレだね~」という感想しか出てこないのです(笑)。

とにかくオシャレなんだよ!

舞台となったカサブランカ/ロンドンの背景といい、ジャズ中心の音楽といい、そしてブラピとマリオン・コティヤールの衣装といい、本作にはオシャレ要素がテンコもりです。とにかく画面上の全てがオシャレ。そんななかで火曜サスペンス劇場もびっくりのやっすいサスペンスが展開されたとしても、果たしてそれに文句をいっていいのかというそんな気さえします。言うて見れば荻上ワールドみたいなもんです。だからストーリーを期待してはいけません。とにかくオシャレ。雰囲気命。そして疑いようもなく、オシャレ作りは成功しています。

まとめ

私自身が、何を隠そうオシャレとは正反対の人生を送っていますので、こういう映画の感想を書くのにどうしても語彙が貧弱になってしまいます(笑)。

だってマリオン・コティヤールがセクシーでオシャレじゃん。ブラピだって渋くて軍服が似合っててオシャレじゃん。2人の子供が来てるニットのベビー服だってすごいオシャレじゃん。だからもう映画自体がオシャレじゃん。

ということで、オシャレな方たちのオシャレな昼下がりを彩るのに最適なオシャレ映画です。オシャレにオシャレな時間を過ごしたいオシャレ男子・女子のみなさんにオシャレにおすすめします!

これを見れば、今日から君もオシャレ(ウー)メンだ!

※余談ですが、こういうのを見ると女子高生が「カワイイ!」という単語だけで会話が成り立つという都市伝説がすごい納得できます(笑)。たぶんこの映画をカッポーとかで見て感想を言い合うと、マジで「オシャレ」しか出てこないと思います。

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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

週末は1本、

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見ました。

評価:(65/100点) – やる気復活のティム・バートン節


【あらすじ】

ジェイクは、いつもお爺ちゃんから不思議な話を聞かされて育った。空を飛ぶ女の子。奇妙な双子。力持ちの兄弟に、透明な男の子。そしてそんな奇妙な子どもたちの世話をするミス・ペレグリン。お爺ちゃんの話に空想を膨らませ、彼は学校でもちょっと浮いた存在になっていた。
ある日、ジェイクはお爺ちゃんから電話を受ける。心配になったジェイクがお爺ちゃんの家に駆けつけると、そこには家を荒らされ、そして裏の林で両目をくり抜かれたお爺ちゃんがいた。

「島へいけ。1943年9月3日のループへ。鳥が全てを教えてくれる」。

息を引き取ったお爺ちゃんの言葉を頼りに、ジェイクは父親と共にお爺ちゃんの昔話に出てきたケインホルム島へ向かう。

【三幕構成】

第1幕 -> お爺ちゃんが襲われ、ケインホルムへ行く。
 ※第1ターニングポイント -> ジェイクがループへ入る。
第2幕 -> ミス・ペレグリンの屋敷での交流。
 ※第2ターニングポイント -> ペレグリンがバロンに捕まる
第3幕 -> ペレグリン救出大作戦。


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【感想】

さてさて、週末はティム・バートンの最新作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見てきました。

最近--特に「 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (2007)」以降のティム・バートンはちょっと中途ハンパというか、「オレに求められてるのはフリークスが出てくるサブカル受けするコメディだろ?」みたいな感じが凄いでていました。 「アリス・イン・ワンダーランド(2010)」しかり、 「ダーク・シャドウ (2012)」しかり、なんというか、思いっきり滑ってるうえにあんまり監督自身も楽しそうじゃない感じが伝わってきて、ちょいといたたまれない感じです。もうやる気なくなっちゃったのかな、、、という寂しさこみで。

本作は、その迷いが晴れたように、ものすごく全力で「ティム・バートン」をしています(笑)。

ちょいとグロテスクだけどキュートな「奇妙な子どもたち」のキャラクター造形。正統派ゴシック・ホラー調の舞台・背景。「こまけぇことはいいんだよ!」っていう言葉が聞こえてきそうなほど雑だけど勢いのある脚本と、そしてたぶんハリー・ハウゼンのオマージュであるカクカクしたCGドクロ兵士やモンスターたち。同じくハリー・ハウゼン・リスペクトのギレルモ・デル・トロとちょっとモンスター造形が似ちゃってるというところも含めて、とっても画面全体から楽しんでる様子が伝わってきます。

そう、たぶん昔からのティム・バートンのファンならばファンなほど、本作はとってもニヤニヤしながら楽しめるはずです。ジョニー・デップ/ヘレム・ボナム=カーター
の呪縛から解き放たれた無邪気なティム・バートンを楽しめる、とても愉快な作品です。

とてもストレートなジュブナイル活劇

本作はとっても古風なジュブナイルものです。私は原作の小説を読んでいないのですが、この本が2011年発表というのを聞いてちょっとびっくりしました。本作は、それこそ70~80年台に流行った一連の「少年冒険映画」そのものです。「お爺ちゃんから”宝の地図”をもらった少年が、悪党たちに追われながらも旅の仲間と共に宝を探しだす」という超王道ストーリー。このド直球な話に、ティム・バートンの為にあるんじゃないかってくらいちょいグロ・悪趣味なモンスターや異能者たちの要素を載っけていきます。ただ、この映画はたぶん昨年のスピルバーグ監督作「BFG」のように現役の子供に向けて作ったものではなく、「昔こどもだったティム・バートンファンへ作ったセルフパロディ」的な要素が強いです。それこそ目玉をくり抜いたり、小学生が見るにはちょっときつめなショッキング描写が所々に散りばめられており、あきらかに楽しんでワザとやってる感じがビンビン伝わってきます。良くも悪くもポリコレとかなんも気にしてないです(笑)。

これ、作戦としてはとても良く機能しています。いうなれば作品全体として「ダブル・スタンダード」を観客にすんなりと押し付けてきてるんですね。ストーリーが雑な部分は「だって子供向けだし」で押し切ってきて、一方悪趣味描写な部分については「だってこういうの見に来たんでしょ?」と急に大人向けになるという(笑)。でもこれこそが、ティム・バートンであり、そしてヘンリー・セリックと組んだ一連の傑作(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)、コララインとボタンの魔女(2009))の一番の肝だったと思います。キモかわいい的な意味でのグロテスク・ファンタジーとして成立している本作は、もうそれだけでファンならば大満足できるはずです。

逆に言うと、ティム・バートンがあんまり好きじゃないっていう人は、この映画はただのトンデモ作品に見えてしまうかと思います。話や設定が結構穴だらけですし、敵のバロンはおちゃめすぎて脇ががら空きですしね^^; 一番気になるのはループとよその世界との繋がりですよね。ループの中の「奇妙な子どもたち以外の人」はどうなってるんだろうとか、時空の穴/特異点みたいな扱いなのに意外とすんなり未来と繋がっちゃってるなとか、変に平行世界ものみたいになってる部分はうまい具合にボヤかして適当に流してたりしてます(笑)。

【まとめ】

ということで、ティム・バートンのファンの方は当然見に行ったほうがいいですし、見たらもう大満足すること請け合いです。久々に「ちゃんとティム・バートンしてる作品」が見られます(笑)。一方、もし彼にあんまりピンと来ないという方は、まずは 「チャーリーとチョコレート工場(2005)」あたりで予習したほうが良いかもしれません。個人的にはティム・バートンは「PLANET OF THE APES/猿の惑星(リメイク版/2001)」より前が最高に好きです。本作は、なんか昔の彼がちょっと戻ってきた気がしてとても楽しめました。是非是非、劇場でお楽しみください。

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バイオハザード:ザ・ファイナル

バイオハザード:ザ・ファイナル

本日の2本目はこちら

「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。

評価:(30/100点) – 小じんまり、まとまりました。


【あらすじ】

前作までいろいろあって、アリスはワシントンに居た。ワシントンで彼女はレッドクイーンからのメッセージを受け取る。実はアンブレラ社は「エアボーン・アンチTウィルス」を隠し持っているというのだ!すべてのTウィルス感染体を死に至らしめる強力な薬を手に入れるため、アリスは始まりの地・ラクーンシティの「ハイブ」へと向かう。レッドクイーンの示した人類滅亡へのタイムリミットは48時間。果たしてアリスはアンチTウィルスを手に入れることができるのか?

【三幕構成】

第1幕 -> ワシントンでレッドクイーンと遭う
 ※第1ターニングポイント -> アリスがラクーンシティに着く。
第2幕 -> ゾンビ軍団との対決とハイブへの侵入
 ※第2ターニングポイント -> 最深部に着く
第3幕 -> アリスの正体とアイザックスとの決戦


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【感想】

さて、本日はスクリーン・ジェムズ作品が連続となりました。2本目はシリーズ6作目の「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。なんだかんだで1作目が2002年ですから、もう14年もやってるんですね。1作目は井筒監督がテレ朝の「こちトラ自腹じゃ」でボロクソに叩いていたのをいまでも覚えています(笑)。1作目はたしかにダメダメではありましたが「走るゾンビ」を発明したエポックメイキングな作品でした。この作品で走り始めたゾンビは、ついに本家シリーズの「ドーン・オブ・ザ・デッド(2004/リメイク版)」でも取り入れられ、市民権を得ます。いまや何の違和感もなく、多くの作品でゾンビたちは元気に人間を走って追いかけています(笑)。

そう、そんな歴史的なシリーズの最後ですから、これはもうファンなら行くしか無いわけです!!!っと気合を入れてみてみますと、これね、ファンサービスしてくれてるのはわかるんですが、結構がっかりポイントがてんこ盛りです(笑)。

せっかく登場したドクター・アイザックスとウェスカーはとんでもなく小者になり、シリーズ全部の意義を吹っ飛ばすレベルです(笑)。しかも1作目を全否定するように「実はTウィルスはアンブレラ社の陰謀でわざと撒かれたのだ!」みたいな話まで飛び出します。いやいや、1作目でレッドクイーンが超慌ててハイブを閉鎖しようとしてたじゃん。っていうか、本作で出てくる陰謀が本当だとすると、そもそもハイブにTウィルスを撒く理由がないじゃん。もっと遠くで撒けよ、、、。とまぁいろいろとアレな事になっております(笑)。これですね、ある意味ヤケクソといいますか、さすがポール・駄目な方・アンダーソン監督(※注)。頑張っているのはわかるのにすごいヘンテコなことになっています。ファンサービスがファンサービスにあんまりなっていません(笑)。

※注 ポール・アンダーソン監督は世界に二人おります。本作の監督・ポール・ウィリアム・スコット・アンダーソン監督は駄目映画ばっかりとっており、一方のポール・トーマス・アンダーソン監督はカンヌ・ベルリン・ベネチアを総なめにしております。このため映画オタクの間では俗称として、ポール・駄目な方・アンダーソン、ポール・出来る方・アンダーソンと呼び分けられます(笑)。

そう、本作ではファンサービスしようという意図は伝わってくるんですね。最終作なので舞台は1作目に戻ります。そして「対ゾンビ戦」ではなくて1作目の醍醐味であった「対殺人トラップ」にフォーカスされる。ちゃんと1作目で出てきた有名なレーザートラップも再登場します。とても気を使ってくれているのがわかります。でもですね、その割にメイン級の悪役の扱いが本当に酷いです。なんかもうキャラ崩壊しているレベルで、あれだけ強かったウェスカーがまさかそんな社畜的な意味で負けるなんて、、、という、、、なんでSFアクションホラー映画を見て私たちはサラリーマンの悲哀を感じなければいけないのかと(笑)。

そんなこんなで、せっかくのシリーズ最終作にも関わらず、シリーズが好きであればあるほどがっかりするという残念な事態になってしまいました。もはや誰向けなのかすらよくわかりません、、、。シリーズ初見では意味がわからないと思いますし、シリーズファンだとあまりに雑な展開に悲しくなってきます。ということで、この映画は無かったことにしましょう(笑)。

もとはといえば、4作目で完結するはずだったものを無理やり続けさせたスクリーン・ジェムが悪いんですから、ポールは悪くない!たぶん、、、きっと、、、いや、6割ぐらいはポールのせいかも(笑)。個人的には動いているアリ・ラーターを久しぶりに見れたのでそれだけでも良しとします!ということで、オススメ、、、しと、、、きま、、、、しょう、、、、、か?しときましょう!ポールも言ってるじゃないですか!

「ジャン・リュック・ゴダールも言っているように、女性と銃だけで映画は成り立つ。このコンセプトはクールでセクシーだよね」
出典:日刊ゲンダイweb 監督インタビューより
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/196257

やっぱダメだこの人(笑)。

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ドント・ブリーズ

ドント・ブリーズ

今日は2本です。1本目は

「ドント・ブリーズ」を見てきました。

評価:(70/100点) – 一発ネタの嵐でサービス満点


【あらすじ】

デトロイトの田舎町。ロッキー、マニー、アレックスの3人は、いつかこのつまらない田舎を抜け出してカリフォルニアへ行くために、強盗をしてお金を貯めていた。
ある時、マニーはギャングから街に30万ドルもの大金をもった爺さんが住んでいるという話を聞く。しかも家はゴーストタウン。周りには全く人が住んでいない。楽勝だと判断した3人は、意気揚々と強盗へ乗り込む。しかし、爺さんは凄腕の退役軍人だった、、、

【三幕構成】

第1幕 -> 爺さんの噂話
※第1ターニングポイント -> マニーが殺される
第2幕 -> 家から脱出せよ!
※第2ターニングポイント -> ロッキーが脱出する
第3幕 -> 最終決戦


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【感想】

さて、今日は今一番の話題作と言っても良い「ドント・ブリーズ」を見てきました。有楽町のみゆき座に行ってきましたが、完全なフルハウス。実は先週も見ようとして満員で諦めました。公開感が少ないからかものすごい混み方です。

この作品はアメリカの夏休み映画で、かなりわ話題になっていました。制作費10億円で興収は150億円オーバーですから大したもんです。監督はフェデ・アルバレス。残念な出来だったリメイク版「死霊のはらわた(2013)」で大抜擢された監督です。本作も引き続きサム・ライミがプロデューサーを務め、ジャンルものである「小屋に閉じ込められちゃったホラー」をやっています。

さて、ここでお約束です。本作は完全なるジャンルムービーであり、そして感心するほどのジェットコースターシチュエーションムービーです。ですから、ネタバレは作品価値を著しく損なう恐れがあります。私はこの後極力ネタバレ無しで書いていきますが、どうしても少々勘づいてしまうかもしれません。未見の方はお気をつけください。

これはシリアス版ホームアローンだ!

強盗が家主にひどい目にあわされて撃退されるというと、やはり筆頭は「ホームアローン」でしょう。今回は強盗側が主役ではありますが、やっていることは同じです。舐めてかかった盲目の爺さんは、実は近接戦闘最強の屈強のファイターです。とてもじゃないけど近づいたら勝ち目はありません。そしてそんな爺さんが拳銃まで持っています。こんな絶体絶命の状況の中で、ヘタレだけど献身的なアレックスは、惚れた女・ロッキーを守りつつ脱出の糸口を探していきます。

そう、これですね、主人公側は間違いなく強盗犯でありクズの集まりです。どう考えても盲目の爺さんは被害者なので、序盤は「爺さんやっちまえ!」と応援したくもなるのですが、これがとある展開で急に爺さんもアレだというのが発覚しまして、そこから先はもう感情移入もへったくれもない「アレな若者vsアレな爺さん」のグズだらけの異種格闘技戦が展開されます(笑)。

ですから、なんというか全体的にはあんまり応援とかどっちの立場でとかそういう映画じゃないんですね。完全にシチュエーションホラーであり、「なんとなく不穏な事」「すごい嫌な描写」を叩き込みまくってくる映画です。後味最悪。そしてどういう顔をして見ていいかわからない。でもなんか楽しい、という(笑)。これ、いうてみればバトルものだと思うんです。「貞子vs伽倻子」とか、「エイリアンvsプレデター」とか、なんかこう「悪役同士のバトルで両方アレだけど楽しい」というプロレスです。

そういった意味では、本作はとてもサービス精神が旺盛です。ほぼ全ての細かい描写がきっちり伏線になってます。例えば序盤で出てくるバールなんかはしょっちゅうほっぽられながらもちゃんと全編通して万能アイテムとして再登場し、その都度工夫をもって使われます。こういう小技は見事です。制作側がすごく気を使ってプロットを練っているのが伝わってきます。そして、カギやバールや拳銃や犬や、全ての「アイテム」「仕掛け」が絡みあってきます。だからこれ、すごくアクションアドベンチャーゲームっぽいんですね。こっちでこのアイテムを手に入れて、それをあっちで使うとこうなって、でも同じアイテムを後から別の用途に使う、みたいな。すごく練り込んだプロットが災いして、「シナリオちっく」でありちょっと事務的なところがやけに目につきます。多分監督がジャンル映画を撮るには真面目すぎるんだと思います(笑)。

【まとめ】

面白いかどうかで言えば間違いなく面白いですし、もう1回見たいかといえばもう1回と言わず2回はみたいです。でもあんまり「諸手を挙げて大ガッツポーズ!」って感じではないです。単に後味が悪いからなのか、それともメリハリがないからなのか。80分少々のタイトな映画ですが、畳み掛けてくる情報量は多く、結構疲れます(笑)。

クリスマスのデートムービーとしてはちょっとどうかと思いますが、見ておいて損はない良作です。

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ラスト・ウィッチ・ハンター

ラスト・ウィッチ・ハンター

今日の2本目は

「ラスト・ウィッチ・ハンター」です。

評価:(25/100点) – ヴィン・ディーゼルのコスプレシリーズ


【あらすじ】

クイーン・ウィッチを退治して早800年、ウィッチ・ハンターのコルダーは呪われた「永遠の命」と共に魔女狩りを続けていた。そんな中、コルダーの所属する「アックス&クロス」の執事・36代目ドーランが何者かに殺害されてしまう。コルダーは仇討ちのため、犯人捜査に乗り出す、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 36代目ドーランの引退と殺人事件
※第1ターニングポイント -> ドーランの部屋で魔法の痕跡を見つける
第2幕 -> コルダーの捜査と過去の秘密
※第2ターニングポイント -> クイーン・ウィッチが復活する
第3幕 -> 最終決戦


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【感想】

今日の2本目は「ラスト・ウィッチ・ハンター」です。ご存知ヴィン・ディーゼル主演最新作で、かついつものヴィン・ディーゼルです(笑)。こちらも「高慢と偏見とゾンビ」と一緒で、ほぼ満員でした。予告を見た時に「デビルクエスト(2011)」と同じノリかと思っていたのですが、意外と現代描写の方が多く、あんまりヒゲモジャで中世風なヴィン・ディーゼルアクションはありませんでした、、、ちょっと残念です。

テンションが上がらんのです、、、

本作は「オカルト探偵もの」です。主人公はウィッチ・ハンターのコルダー。魔女狩り一筋800年の、年季の入った不老不死おじさんです。ある日、信頼していた助手の36代目ドーランが殺されたことから、その仇討ちに乗り出します。捜査の過程で、この事件が800年前に倒した宿敵・クイーン・ウィッチを復活させようとした陰謀だと発覚し、そこから怒涛のオカルトクライマックスへと向かいます。

そう、本作ですね、せっかく楽しいオカルト要素てんこ盛りなのに、完全にいつものヴィン・ディーゼルなんです(笑)。「ワイルド・スピード」シリーズもそうですし、「トリプルX」もしかり、「リディック」もしかり。基本的にちょい半笑いでもごっとした声を出すいつものヴィン・ディーゼルが、いつものように犯人を探すために突き進み、いつものように危なげなく勝利します。「じゃあセガール映画としていいじゃん!」って話なんですが、肝心の敵やアクションが微妙なんです、、、。そこが本作の一番の不満点です。

せっかくヴィン・ディーゼル主演なのに、基本的に魔女たちが精神攻撃ばっかりであんまり肉体アクションに発展しないんですね。そうするとディーゼルの大根っぷりだけが際立ってしまい、しょぼい敵と相まって物凄い退屈になります。
しかも肝心の敵が対して強くもなく、脅威かどうかもよくわからないので、爽快感もありません。まさに誰得映画。で、誰が得かというと、そりゃもちろん主演でプロデューサー兼任のヴィン・ディーゼル本人なわけで、これ単にいつもの「オレ様映画」です(笑)。

【まとめ】

ということで、超テンションが低く、あんまり書くことがありません(笑)。不満はいっぱいあるんですが、どっちかっていうとゲンナリ度の方が高くてもういいかなっていう、、、そのぐらいの温度感です。自慢じゃないですが、私はたぶんヴィン・ディーゼルが出てる映画を全部見てると思うんです。しかもわりと好きな俳優です。それでこのテンションっていうのが、、、お察しください。ファンの私ですらちょっと頭がクラっときたので、おそらくヴィン・ディーゼルのファン以外にはヤバいぐらいつまらないと思います。ということで、良い子の皆はレンタルDVDにしときましょう。ちょっと来年の「xXx: The Return of Xander Cage」が心配です(笑)。

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インデペンデンス・デイ: リサージェンス

インデペンデンス・デイ: リサージェンス

今日はいまさらですが

「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」をみました。

評価:(62/100点) – いつまでも変わらない味。エメリッヒの味。


【あらすじ】

エイリアンの侵略から20年。人類はエイリアンの残した残骸からテクノロジーを研究し、再襲撃に備えていた。ちょうど20周年を迎えるアメリカ独立記念日を控え、月にエイリアンの宇宙船が現れる。一方、地上でも不可解な現象が起き始める。コンゴで壊れた宇宙船が突如再起動し、エイリアンにゆかりのある人々は共通するナゾの模様を夢に見ていた、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 月でのできごとと、アフリカのエイリアン船。
 ※第1ターニングポイント -> 巨大エイリアン船が攻めてくる
第2幕 -> 宇宙船破壊作戦と白い球
 ※第2ターニングポイント -> ジェイク達が宇宙船を脱出する。
第3幕 -> クイーンエイリアン破壊作戦


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【感想】

本日はいまさらではありますが「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」を見てきました。もうぼちぼち公開が終りそうになっており、今日も劇場はガラガラでした。1996年の「インデペンデンス・デイ」の続編で、監督もエメリッヒ、脚本もディーン・デヴリンと、まったく同じ布陣です。キャラクターも引き続き登場が多く、前作キャラの娘・息子も登場するなど完全にファンムービーに仕上がっています。

そういった意味では、劇中にもあるように、これは「インディペンデンス・デイ20周年記念」以上のものではありません。前作を見ていない場合には、まずそちらをチェックすることをおすすめします。

ファンムービーとしての続編:ほぼリメイク

「スカイライン -征服-(2010)」の時もちょろっと書きましたが、もともと前作「インディペンデンス・デイ」はいわゆる侵略SFというジャンル・ムービーです。そしてアメリカの9.11テロ前夜の、このジャンルが一番”調子に乗っていた”時期の代表作です。なんかよくわからんエイリアン達を大統領を筆頭にした”大正義アメリカ軍”が無邪気にぶち殺しまくり、退役軍人の”パイセン達”も青春を取り戻すように張り切り、ほんとうにお祭りとしての侵略SFです。これが9.11を境にジャンル自体が一気に暗く・重くなっていくわけです。「インディペンデンス・デイ」の続編を今あえて作ると聞いた時、もしやこんなのまで暗くなってしまうのではないかと一抹の不安がありました。

結果ですが、これ全然暗くないです。っていうか前作のテイストと全く一緒。キャラ達みんな楽しそう(笑)。「もう15年も経ったしそろそろ良くね?」みたいな開き直りに見えて、ちょっと安心しました。
ストーリーはほぼ前作と一緒です。なんかわからんエイリアンが急に来て、あぶないから米軍でぶちのめしちゃおうかなっていう、、、まぁいつものアレです。前作からの違いはとにかく宇宙船がデカいこと。ほぼ地球の1/4ぐらいを覆うほど大きく、単船でロンドンのビッグベンからシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズまでを覆い尽くします。そして今回もバリアを張ってきますのでお約束で単騎特攻もあります。前作のキャラ一人一人にちゃんと見せ場が用意され、ギャラの関係で死んだことになったウィル・スミス以外はほぼ勢揃いです(笑)。そういう意味で、本作はリメイクみたいなものであり、20周年記念続編ファンムービーとしては文句の無い構成です。

変わらない味。エメリッヒの味

さて、ここからが本題です。ローランド・エメリッヒという監督さん、みなさんはどんなイメージがあるでしょうか?一番多いのは「ディザスター・ムービーでいつも地球を壊してる人」っていうイメージでしょうか。個人的には「ユニバーサル・ソルジャー(1992)」と「スターゲイト(1994)」は小学生の時に見てかなり好きでした。
このエメリッヒという人はもう60歳なんですが、本当にいつ見ても、どの作品を見ても、おもいっきり作家性のある人です。というか滲み出てくる”味”があるんですね。その話をしたいと思います。

エメリッヒ作品を一言で表すと「大味バカ映画」です。

この人は毎回必ずとてつもないスペクタクル感を出してきます。すっごいでかい何かが出てきたり、ものすごい大げさなギミックがあったり、とにかく「ハッタリという名のサービス精神」が溢れすぎてるんです。今回は超巨大宇宙船にプラスして、そんなエイリアン達に対抗するための「全宇宙エイリアン対抗組合」みたいな存在まで出てきます。もうね、スケールがでかすぎます(笑)。ただの町内会じゃなくて「全宇宙エイリアン対抗組合」ですよ。聞いただけでも男心が疼きます(笑)。そして宇宙船は地球のコアに向かってレーザー削岩するんですね。格好いい!っていうかスケールでかっ!!!

ところが、こういった超大きなハッタリに対して実際に起きる事件というのは、「バスに乗り遅れたワンちゃんがエイリアンに踏まれちゃう!助けなきゃ!!」とか、「やばーい!出口がしまっちゃう!でなきゃ!!!」とか「エイリアンが来たぞ!水に潜って隠れろ!!!」とか「やばい、、、車がガス欠だ、、、」とか、とにかくショボい(笑)。そう、このギャップがエメリッヒなんですね。すごい風呂敷広げまくるくせに、やってることはドン引きするぐらい小さい事っていう。「地球の命運がかかってるんだから犬一匹ぐらいほっとけよ!」って思っても、ちゃーんと助けに行くんです。それも重大ハラハライベントとして(笑)。

さらに凄いのは、エメリッヒさん、細かい設定には全く興味がないんです(笑)。「地球に穴開けていったらマントル吹き出ちゃわね?」「宇宙船に無防備な出入り口がありすぎじゃね?」とかそういうのは全く興味ない(笑)。エメリッヒ映画はよく「ご都合主義がひどい」と言われることがあるんですが、ヘタすると本人は「ご都合主義」だと思ってない可能性があります(笑)。「2時間で収めなきゃいけないんだから細かいこと言うなよ~」「ほら、突撃!入った入った。おけーい」ぐらいの相当軽いノリで作ってます。

こういった「大味」な部分を微笑ましく見られるか本気で怒るかで、エメリッヒの評価はガラっと変わります。個人的には結構好きなんですが、さすがに今回はちょっとバカすぎるかな、、、と思うこともしばしば(笑)。

本作「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」は、いつものエメリッヒに輪をかけて展開が雑で行き当たりばったりです。白い玉があんまり役に立たないとか、ラスボスのはずのクイーンエイリアンが急に特攻してきたりとか、そうこうしてたら捕まえたエイリアンが逃げちゃったりとか、イベントが急に来て急に解決するんですね(笑)。たぶんキャラをみんな活躍させようと思って詰め込みすぎちゃったんだと思いますが、詰め込んだ割には本筋の内容は全然無いな~とか本末転倒です。

【まとめ】

本作はあんまり評判がよろしくないようですが、私はむしろエメリッヒ節が全開すぎて微笑ましく見られました。よく言う「お酒を飲みながら盛り上がれるクソ映画」ってやつです。突っ込みどころしか無いので、知人と見に行って、終わった後にあれやこれやツッコミいれまくると楽しめるのではないでしょうか? 個人的にはかなり好きな作品です。

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記事の評価
シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

久々の更新はこちら

「シン・ゴジラ」です。

評価:(100/100点) – 熱血”躁”ムービーの傑作!


【あらすじ】

東京湾羽田沖で謎の水蒸気爆発が起きた。政府は緊急で会議を招集するが、海底火山か、はたまた謎の原子力潜水艦潜の事故か、まったくわからない。そんなおり、ネット上の動画サイトに現場の映像があがる。そこには巨大生物と思われる尻尾のようなものが映っていた。水生生物が陸上にあがったら自重で崩壊する。そんな希望的観測を尻目に、生物は多摩川を昇り大田区に上陸する。それは、ウツボのようにのたうち回りながら這いずる、恐ろしい怪物だった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 水蒸気爆発と、謎の怪獣の上陸
 ※第1ターニングポイント -> 怪獣が東京湾に帰っていく
第2幕 -> 政府対応と怪獣の再上陸、矢口プランの進行
 ※第2ターニングポイント -> 矢口プラン改めヤシオリ作戦の準備完了
第3幕 -> 最終決戦「ヤシオリ作戦」


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【感想】

昨日はレイト・ショーでシン・ゴジラを見てきました。最近あんまり長文を書きたくなるテンションの映画がなかったのですが、このシン・ゴジラはですね、久しぶりに書かざるを得ないというか、なんかこうスクリーンの熱血がそのままこっちに乗り移るような、とてもエモーショナルな映画でした。まるで劇中でゴジラが自身の熱核エンジンの放熱のために口から火炎を出すように、私も叩きつけられた「熱血」を吐き出さないとどうにも収まりがつきません(笑)
ということで、いつものお約束です。
これ以降の文章は、ほぼ最後の部分までのネタバレを多大に含みます。未見の方はご注意ください。とはいえ、本作の根幹はとてもシンプルなストーリーです。そして、一回の鑑賞で全部を拾うのは無理なほど、細かいディテール=オタクマインドでゴテゴテに装飾されています。ネタバレが作品の価値を削ぐたぐいの物ではないという言い訳をしつつ、書いていきます。悪いことは言いませんので、絶対劇場で見た方がいいです。大画面で、大音響で、このフィルムの熱量に当てられてこその作品です。

ハリウッドへの対抗=作品のピュア化という疑い(笑)

皆さん、昨年の映画を思い浮かべて下さい。「ハリウッド作品以外で世界的に大成功した作品」というと何を思い浮かべるでしょう?私がこのシン・ゴジラを見て真っ先に思い浮かべたのは、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でした。作品の根幹にドンと大テーマを据えて、そのまわりを限りなくピュアな要素で埋め尽くす。万人への受けを狙うのではなく、監督自身が好きなもの、好きなディテールを素直に全力で押し出し、観客はその熱量を正面から”叩きつけられて”興奮する。こういうある種のアトラクション・ムービーです。

本作のテーマは「熱血からくる人間の団結力」です。ポスターに「現実vs虚構」というキャッチコピーがありますが、正直あまり敵側(ゴジラ側)は関係がありません。人間側が団結して力を発揮した時、もう勝負はつきます。
本作は、いろいろな立場の人間達がいろいろな行動原理(※もちろん保身であったり建前であったり)で動きながらも、結局は己の意思で団結し、自分にできるベストを尽くして勝利を得るという、これ以上ないほどのカタルシスにつつまれた作品です。最終盤にそれまで頼りなかった総理代理がフランス大使に頭を下げて最敬礼するシーンが映りますが、これほどまでに格好いい土下座(※土下座ではないですが、精神的には土下座ですw)はあったでしょうか? これぞ漢の信念の土下座外交です。
この「己の信念にしたがって全力で行動する」ことこそ「熱血」の根幹であり、そして各人の「己の信念」がヤシオリ作戦へと収束していくところが「シン・ゴジラ」の最大の美点です。本作に対して、人間ドラマが足りないとか、庶民の愛憎(家族愛とか)が無いとか、そういう批判が出ることが正直よくわかりません。これほど人間ドラマに溢れ、これほど人間賛歌に徹底している娯楽作品が他にあるでしょうか?

ハリウッド・メソッドに忠実な構成

本作の素晴らしさに、映画構成の完璧さがあります。本作は一見するとずーっとセリフ劇が続くように見えますが、構造が非常にシンプルでしっかりしているため、まったく飽きることがありません。

一幕目では謎の怪獣が東京湾に出現し、大田区→品川区と街を壊していきます。この時、政府の対応はというと、異例の事態で法律がないとか、どの省庁の管轄になるかとか、学者を呼んで意見を訊くとか、本当にどうでもいいプロセスに終止します(笑)。このパートは「お役所ギャグパート」としても成立していまして、まさにハリウッド・メソッドで言うところの、「笑いは一幕目に固めるべし」というセオリーそのままの構成です。

これが二幕目に入りますと、主役である矢口蘭堂が正式にゴジラ対策プロジェクトの担当に任命されて、変人たちを集めた越境特別チームを動かし始めます。このパートでは徹底して「政府本丸」と「特別チーム」の対比が描かれます。政府側が法整備を進め組織としての体裁を保ったままで「正式な対応」を進めるのに対して、特別チームは「人事査定には関係ないから忌憚なく意見して好き放題動いてくれ」と現場の個の力を頼りに研究を進めます。そして、問題の石原さとみ扮する「カヨコ」が登場します。彼女はアメリカ大統領の特使というバリバリの権威側として登場しながらも、「タメ口でいいわよ」という一言で特別チーム側の価値観であることを表明します。
ここではギャグは段々と鳴りを潜め、シリアスな展開が続きます。きちんとミッド・タ―ニングポイントで「ゴジラの再襲撃→多摩川防衛のタバ作戦」という盛り上がりもあり、そして本作一番の盛り上がりどころ、ゴジラの放射熱線が入ります。この放射熱線にしても、プロレスで言う所の「ハルク・アップ」というか、ピンチからの一発大逆転というある種のカタルシスがあります。そしてその後の闇夜に浮かぶ神々しいまでの立ち姿は、まさに「ラスボス登場」を思わせる絶望の象徴であり、これこそ「団結しないと勝てない」ことをまざまざと見せつけてくるわけです。

そして二幕目の終盤、「私は好きにした。君たちも好きにしろ。」という牧悟郎博士の遺言をキーワードに、政府側も含めた全ての人物が「自分達の意思で」団結し、そして官民一体かつ統一目的意識で組織化された「ヤシオリ作戦」が開始するわけです。

ついにやってくる怒涛の三幕目、新幹線の突撃や「無人在来線爆弾」など、”これぞセンス・オブ・ワンダー”というオタクマインドにあふれた攻撃で、スクリーンは埋め尽くされます。ここまで来ると、もはや完全に祭りです(笑)。まさにピュアな意味での「熱血」。とにかく「やっちまえ!」というテンションだけの至福の30分です。
そこまでの展開との壮絶なギャップにニヤニヤしつつ、溜めに溜めたストレスを全力で放出する最高の時間です。はっきり言って三幕目は急に頭が悪くなり、スクリーン全体が幼児退行します(笑)。このピュアさがまたぐっと来るんですね。だって「無人/在来線/爆弾」という単語の繋がりを、どの大人が会議室で思いつきますか? 好きじゃなければ出てこない単語です。いままでのシリーズで散々踏み潰されてきた在来線が、ついに復讐するこのカタルシス!そして絵面の格好良さ!

庵野監督はいわゆる熱心な「信者ファン」が多いことでも有名ですが、やっぱりこういう自分の趣味全開の熱量を臆面もなく出してくるクリーエーターは、それだけで十分に価値があると思います。だってそれこそが「作家性」っていうことですから。

【まとめ】

私はあまり熱心な特撮/ミリタリーファンではないのですが、このテンションは最高に楽しめました。もちろんゴジラフリークの方からすると「こんなのゴジラじゃない!」みたいないつものパターンになるのかもしれませんが、ある意味「作家性」が「ゴジラ」を塗りつぶしたという事ですからまったく問題無いと思います。一応形式的に指摘しておけば、本作のゴジラが何故東京を目指したのか、そして最後に何故皇居へ向かったのかは特に説明はありません。そして本作が福島第一原発事故を意識しているのも疑いようがありません。このゴジラの「目的のわからなさ」こそが恐怖であり、そして最後に「一時停止させただけで根本的な脅威は残っている」という状況に繋がります。どうしようもないものや得体のしれないものに対峙して、人間が団結する。これこそ人間賛歌どまん中ではないでしょうか?

取り留めもなくなってしまいましたが、本作は最高の大娯楽作品です。日本映画だって全力で娯楽作品つくれるんじゃん!という希望に満ちた素晴らしい作品でした。「熱血」ってある意味「過剰さ」が肝だとおもうんですね。本作の「熱血」を堪能するなら、大画面大音響が絶対必要だと思います。是非劇場で御覧ください!

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