ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

土曜は2本見てきました。1本目はマーベル最新作

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」です。

評価:(82/100点) – ヤンキー=マイ・メン+マザコン


【あらすじ】

ガーディアンズの面々はソブリン人の依頼でアニュラクス・バッテリーの防衛を任される。軽々仕事をこなして、報酬として囚われの身のネピュラを確保したガーディアンズだったが、なんとロケットが肝心のバッテリーを盗んでいた!「防衛を引き受けた貴重品を自分で盗むバカがどこにいるか!」大激怒するソブリン人達から命からがら逃げるガーディアンズを救ったのは、謎のカプセル型宇宙船でサーフィンを決め込むナイスダンディだった。いかしたオジさんは、ピーターにこう声を掛ける。「探したぞ、我が息子よ」。こうしてガーディアンズは二手に別れる。ロケット、グルート、捕虜ネピュラの三人は壊れた宇宙船ミラノを修理するためとどまり、ピーター、ガモーラ、ドラックスの三人は、ピーターの父の故郷と言われる惑星エゴへ向かう、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> バッテリー防衛とソブリン人の追撃
※第1ターニングポイント -> ガーディアンズがベアハートに不時着する
第2幕 -> ふた手に別れた行動
※第2ターニングポイント -> ピーターが真実を知る
第3幕 -> 惑星エゴ決戦


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【感想】

さて、土曜はマーベル・シネマティック・ユニバースの15作目、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」を見てきました。前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」は「ダメ人間たちがダメなまんまで宇宙を救うスペース・オペラ」として超大傑作すぎる内容で親指が上がりっぱなしでしたが、本作ではダメ人間から「ダチ公マイ・メン!」な感じのマイルドヤンキー志向にシフトしまして、よりエモい方向に方針転換しています。ちょうど最近「ワイルド・スピード ICE BREAK (Fast & Furious 8)」を見たばっかりなので、完全にテーマが被ってました^^;

本作では実の「家族」と、マフィア/ヤンキー的な意味での「ファミリー」の間で多くのエモい事件が発生します。

アベンジャーズ・シリーズのラスボス・”青ゴリラ”サノスの娘であるガモーラとネビュラ姉妹の確執。実験動物として家族を持たない(=持てない)ロケットと、相方でありながら前作で犠牲となり転生した赤ん坊のグルート。妻と娘を殺されて孤独なドラックス。栄光のラヴェジャーズから追放されワルとして生きるヨンドゥと、彼に誘拐され育てられたピーター。こういった孤独を感じるハグレもの達が、「ガーディアンズ」というチームによって仮想家族となり、お互い絆を深めていきます。

そう、これ、スペースペラを使っているだけで、やってることはドヤンキー人情ものなんですね。全世界規模でマイルドヤンキー化が進んでいるという、、、良いのか悪いのか^^;

ただ、「ワイルド・スピード ICE BREAK」が「ヘッドの隠し子を救うためにファミリーが頑張る」という非道徳/ヤンキー色が強すぎる(笑)内容であるのに対し、こちらはよりマイルドで道徳的な方向に着地しております。そういった意味では、こちらの方がより万人受けします。

相変わらずジェームズ・ガン監督が上手いのは、こういったエモエモ全開の話の合間に事あるごとオヤジギャグをぶち込んでバランスをとってくる所です。最後の最後、カーテンコールの超エモい花火&ラストカットの涙まで、なるべく観客が泣き出さないようにひたすらハズしてきます。そして、観客の「泣きたいのに泣けないよ~~~」を完全に殺しに来るラストで、ものっすごいアザとい演出を使い、ものっすごいピンポイントに泣かせにきます。ダメ人間が名誉回復する話なんだから、そりゃウルっときても仕方ないですわ。仕方ないけど、あまりのアザとさに個人的にはちょっと引きました(笑)。正直な話、泣ける映画度は前作より格段に上がっていますが、映画としてのクオリティというか対象レベルはちょっと下がってると思います。

この後の展開として、マーベル・シネマティック・ユニバースとしては「スパイダーマン・ホームカミング(2017夏)」「ソー:ラグナロク(※バトルロイヤルとかいうクソ邦題はボイコットします。)」「ブラック・パンサー(2018春)」と続いて「アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォー(2018GW)」に行きます。ガーディアンズが前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」でノバ帝国に預けたオーブをサノスが奪いに来るのは確実なので、「アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォー」でガーディアンズが乱入してくるのはほぼ間違いありません。

本作の舞台が2014年。「ドクター・ストレンジ」の冒頭が「キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー」と同時期(※事故に遭う車の中でローディのカルテが映る)で2016年。アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォーの舞台が2018年になると考えると、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」からは4年後になります。グルートはどこまで成長しているのか?ガーディアンズのチーム力は上がっているのか?スタローン率いるラヴェジャーズの参戦は? キャラが飽和状態で散らかり始めたMCUですが、まだまだ大団円まで突っ走りそうです。

ただ、結局これって原作アメコミと同じく「一見さんお断り」状態になりつつあるんですね。DCコミックでは全部リセットして「New52!シリーズ」と銘打って最初からやり直しましたが、MCUもどこかで一区切り付けないといけないかもしれません。

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記事の評価
モアナと伝説の海

モアナと伝説の海

週末はディズニーアニメ最新作

「モアナと伝説の海」を見てきました。

評価:(75/100点) – ザ・ロックの魅力で持たせる120分


【あらすじ】

かつて女神テフティは世界を作った。その強大な力を手に入れようとする邪悪な者達はテフティの心を狙い闘争を続けていた。そしてある時、マウイがテフティの心を盗む事に成功する。しかしマウイは悪魔テ・カァの襲撃にあいテフティの心と大切な武器・釣り針を海に落としてしまう。マウイは泥棒の罪で無人島に幽閉される。

それから1,000年、サモアの島々は闇に吸収されようとしていた。世界を救うために選ばれたムトゥヌイのモアナは海よりテフティの心を授かる。マウイを探し一緒にテフティに心を返すため、モアナは村の掟を破ってサンゴの海を渡る。

【三幕構成】

第1幕 -> ムトゥヌイに不吉な事が起きる
 ※第1ターニングポイント -> お婆ちゃんの死
第2幕 -> マウイ捜索とテフティへの旅
 ※第2ターニングポイント -> テ・カァに返り討ちにあう
第3幕 -> リベンジ・マッチ


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【感想】

さて、週末は1本、ディズニー映画最新作「モアナと伝説の海」を見てきました。監督はご存知ロン・クレメンツとジョン・マスカーのコンビで、「プリンセスと魔法のキス」以来7年ぶりの新作です。私は有楽町の日劇で見てきました。シアター1の大箱で、観客が6割ぐらいでしょうか。ちょっとさびしい感じでした。

本作のストーリー自体は指輪物語と同じです。世界を変えてしまうような強大な力をもったアイテムを返す・破棄するために、田舎出身の主人公は仲間とともに旅をします。途中なんやかんや妨害を受けながら最終的には目的を達成して、だけどもスーパーパワーを得るわけでもなくまたもとの田舎の生活に戻ります。

そう、この映画はただしく「行って帰ってくる話」であり、そこになんの文句もございません。

この映画は、最近のディズニーでは珍しく明確に子供向けにターゲットを絞っています。モアナは最初から選ばれた「ザ・ワン」として登場し、身体能力も超抜群、特殊能力を使わない生身の体で並み居る悪魔や怪物と戦っていきます。このモアナは完全に子供の考える「スーパーヒロイン」です。ピクサーの「メリダとおそろしの森(2012)」みたいに男勝りの女主人公はいましたが、ここまで明確に「女性であることを捨てずに身体能力抜群なアクションスター」というのを打ち出したのは初めてじゃないでしょうか?

そうすると、やっぱりちょいと年のいった身としては、相方のマウイの方に魅力を感じちゃうわけです。

このマウイがですね、声優をやっているザ・ロックに120%寄りかかったキャラなんですね(笑)。俺様キャラでありながら根は優しく力持ちでニヒルに笑うナイスガイ。挙句の果てには「みんなのヒーロー(=ピープルズ・チャンピオン)になりたいんだ」とかいいながらピープルズ・アイブロー(=ザ・ロックの決め顔で、片眉だけ思いっきり上げるドヤ顔)をする始末。狙いすぎだろっていうくらいザ・ロックそのものです。WWEアティテュードど真ん中世代としては、もうこのキャラだけで2万点だしていいかなと思います。

そんなバディ2人がすったもんだしながら珍道中を繰り広げるわけで、これがつまらないはずがありません。

本作は子供向けに全振りしてますので、細かいところのアラ・ウソはかなり多いです。食料問題とか、モアナが絶対ヤケドしないとか。でもそういうのも全部流して勢いでカバー出来ているのが本作のいいところです。やっぱオトギ話的な冒険譚って理屈じゃなくてノリと勢いですから(笑)。CGで作っているのにミュ―ジカルパートの入り方が往年のディズニークラシックそのものですし、音作りもモロにアラン・メンケンオマージュです。そういったところも勢いに一役買っています。

【まとめ】

取り留めもなくなってしまいましたが、本作はとってもよく出来たファミリームービーです。「大人も楽しめる」みたいな変な色気をださずに、全力で子供向けに作っています。残念ながら賞レースでは「ズートピア」に持って行かれましたが、子供向けとして見れば「アナと雪の女王」には周回抜かしで勝ってるくらいのレベルです。

大人が見ると言う意味で惜しむらくは、字幕上映が少なくザ・ロックが声優をやってるバージョンが見づらいことです。プロレスファンなら絶対字幕で見たほうが良いです。ネーション・オブ・ドミネーションの頃のちょっと太った初期ザ・ロックが見られます(笑)。

とまぁそんなこんなで、見て損はない作品です。なんせ私、吹き替え版を見た後にあまりのロック・リスペクトに感激して字幕版にハジゴしましたから(笑)。

春休みに鉄板でおすすめできる作品です。

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ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド

今日はアカデミー賞ノミネートで大宣伝中の

「ラ・ラ・ランド」を見てきました。

評価:(45/100点) – 雰囲気パロディ


【あらすじ】

ミアは女優を夢見てハリウッドへやってきた。何百回とオーディションを受けながらも結果が出ず、ワーナー撮影所のコーヒーショップで働いている。
ある日、友達とハリウッドのプライベートパーティに参加したミアは、辟易しながら家路についていた。その途中、彼女はレストランから聞こえてきたピアノの旋律に耳を奪われる。それが、ピアニスト・セブとの運命の出会いだった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 冬。ミアの上京。
 ※第1ターニングポイント -> ミアとセブがレストランで出会う。
第2幕 -> 春、夏、秋。ミアとセブが恋に落ちる。バンドと一人芝居。
 ※第2ターニングポイント -> ミアが故郷へ帰る。
第3幕 -> ミアが戻ってきてオーディションに受かる。

エピローグ -> 5年後の冬。セブズでの邂逅。


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【感想】

さて、本日は「アカデミー賞大本命!」とギャガが大宣伝中の「ラ・ラ・ランド」を見てきました。

予告を見るとラブストーリーっぽいのでもっとデート客が多いのかと思ってたんですが、意外と老夫婦が多くちょっとびっくりしました。この辺が宣伝効果ですかね。大成功だと思います。

監督は「セッション」のデミアン・チャゼル。まだ31歳でこれだけ話題の作品が撮れるんですから、素直に凄いと思います。個人的に主演(※厳密には主役ではなく脇役ですが^^;)ライアン・ゴズリングが大好きなんで、宣伝と相まってめちゃくちゃハードルが上がってました。

本作はラブストーリー部分だけに焦点を絞れば別にそんなに作りが変な話でもないですし、いい塩梅だと思います。ただ、いま見終わって1時間くらい経って書いてるんですが、私は個人的に結構キてます(笑)。いっぱい感動した人がいるのはわかりますし、大絶賛する人には多分この映画のバイブスが合ったってことだと思うので、全然いいと思います。いまから例によってグチグチ書きますが、それによって作品の価値が毀損するようなチンケなクオリティではありません。是非、劇場でご覧ください。

この後でもしかしたら取っちゃうかもしれませんが(笑)、個人的にはこれにアカデミー賞作品賞・監督賞はないと思います。それは個人的にどうこうっていうよりも、やってることが最近アカデミー賞を取ったばっかりの「アーティスト」とドンカブりだからです。さすがに二匹目のドジョウにサクッと賞をあげるようなことは無いんじゃないかな、、、と予想しています。とか書いといてハズれそうですが^^;

2017年3月1日追記:
本作、見事にアカデミー賞監督賞を獲得しましたね!おめでとうございます!!!とともに、私の予想の外れっぷりに謹んでお詫び申し上げます。主演女優賞と音楽関連は他にないし獲るんだろうな~とは思ってましたが、監督賞はまったく予想外でした。
m(_ _)mゴメンチャイ

ここでお約束です。これだけ評判の映画にグチるわけですから、具体的な部分に話が及ばざるをえません。以下多数のネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。

良かったところ1:ラブストーリーとして鉄板の話

まずは良かったところから行きましょう。1つ目は、多分本作で感動した皆さんがまさに思っているであろう点です。

この映画は「ハリウッドの夢追い人」=「あたまラ・ラ・ランド♪」な人が織りなす青春劇です。ミアは叔母さんの影を追って女優を目指し、セブは「ジャズの復興」という壮大な夢を提げ、お互いハリウッドにやってきます。ミアの友人たちが(いわゆる枕営業的なノリで)人脈を作ってのし上がろうとする中、ミアはそんな売り込みに馴染めず真っ向からオーディションを受けまくり、そして落ちまくります。一方のセブも「ジャズはバップこそが本流である」という信念を捨てきれず、レストランのBGMを弾くバイトでついうっかり勝手な演奏をしてクビになってしまいます。

こういった「信念はあるけど世渡りが下手で社会的に馴染めない」コダワリ派の2人が出会い、お互い励ましあいながらも夢に邁進していくわけです。そして大人になり、ちょっと回り道をしながら、見事に夢を叶えます。

この基本ストーリーは間違いなくよくできてます。っていうか鉄板です。オリジナリティはあんまり無いですが、「王道的」という意味では間違いなくど真ん中の青春ストーリーです。日本映画だってこの手の物は山程も作られていますし、これがダメなわけがありません。「パラダイス・キス(2011)」なんかはモロにこれですよね。

このストーリーの根幹部分は(面白いかは置いといて)減点法で言えば100点満点です。別にツッコム気は一切起きません。

良かったところ2:名作ミュージカルのパロディ

良かったところの2つ目はミュージカル・パロディです。本作は冒頭からして4:3の画面が広がってシネマスコープになるという20世紀フォックスの往年のロゴから始まります。もうこの時点でわかり易いくらいのパロディです。「いまから古き良きミュージカル映画をやるよ!」って宣言しており、そしてその宣言に違わず、映画はいきなり「ウソみたいな青空のもと」「原色のドレスを着た」人たちが群舞するオープニングソングから始まります。この色がモロに「着色感」があるギトギトなもので、完全に昔の天然色映画をパロっているのは疑いようもありません。余談ですが、このオープニングの長回しはとっても良かったです。

さらにさらに、本作は「本能寺ホテル」も真っ青なくらい、映画の舞台背景に奥行きがありせん。外のシーンでも道の真ん中から歩道を平行に撮るようなカメラ・ショットばかりですし、パーティやレストランシーンの舞台も狭く、そして何より例のポスターのポーズを2人で決める山の上からのシーンではわざわざ下界がピンボケしています。加えてそのシーンでのタップダンスは、今時珍しくクレーン撮影をしています。これらは完全に意図しており、要は「スタジオセットで撮影している」ような雰囲気を出すためなんですね。スタジオには奥行きもクソも無いですから、スケールを出すためにクレーンを多用します。

これを象徴するのが、本作で何度も出てくる「部屋の壁の絵」や「スタジオ内で運送中の書き割り」です。画面を意図的に書き割りとして撮っているわけです。まっすぐの道路や波止場を真正面かつ上から撮るのとかはモロにクラシカルですよね。こういうパロディはとっても微笑ましく見られました。

ワシのグチを聞いてけれ

さて、ここまで絶賛モードなわけですが、なんでこれが45点かという部分を書いていきます。

一番大きいのは、セブが夢を全然叶えてないところです。セブは「バトルスタイルのフリージャズ」にこだわりがあったわけですよ。そしてそういう「古き良きバップ」が若者に人気が無いという危機意識から、「俺が復活させるんだ!」「そのためにJAZZの店をやるぞ!」と野心ギラギラなわけです。ところが、最終的にセブが開いた店は「オシャレな大人向けのJAZZバー」です。カクテルとか出してやがるんですよ?は???おまえバップ至上主義者じゃなかったっけ?ミアがジャズの印象を「エレベーター/天気予報で流れてる曲」みたいなノリで言った時にマジギレしたり、熱くフリースタイルの素晴らしさを語ってなかったっけ?せっかく友達から売れるバンドに入らないかって声かけられた時「セルアウトとかジャズじゃねぇわ」とか言って断りかけたりしなかったっけ?そのおまえが最後に開くのが「大人の夜のオシャレJAZZバー」ってどういうこと?テキーラだの麻薬だので若者がハイになってガンガン踊り狂ってるような「狂乱のバップ酒場」じゃねぇの?

しかもですね、最後に開く「セブズ」ってバーがよりにもよってリラクシン♩な感じの椅子まで用意した本格的オシャレバーなんですよ(笑)。それじゃ踊れねぇだろ!ヤジれねぇだろ!アホか!!!!おまえが好きな「古き良きバップ」はラリったミュージシャンがラリったまんまのグルーヴを延々とアドリブでつなぎ続ける最高にサイケな音楽だぞ!!!!

というこのエピローグをもって、本作の私の中の評価はガタ落ちしたわけです。

そこまでも「ふーんa-haをそう使いますか?」とか「踊りも演奏も下手じゃね?」とか、「プリウスもiPhoneもあるのに、CG撮影はなくて車にもカセットテープなの?」とかちょいちょい引っかかる部分はあったんですが、この終わりが決定打で完全崩壊。

結局それっぽいのを表面だけそれっぽくやりたいってだけの志の映画なのね、、、っていう。じゃあ別にいいっすわ、それで。

そしたら急に雑さが目立ってきちゃったんです。ガラガラの一人芝居で何の前振りもなく急にフックアップってそれでいいのかとか、セブのバンドも最初はフュージョンだったのに初ライブで急にニューエイジポップスになっててジャンル変わってるじゃねぇかとか。

そんなわけで、せっかく一番盛り上がるであろう最後の脳内妄想パートもすっごいシラけてみてました。

結局セブは夢を叶えたんじゃなくて、一番現実的であろうところに妥協したってことなんですね。「若者にバップを広めてジャズを再興する」んじゃなくて「単価の高い大人をターゲットにオシャレバーをする」っていう。じゃあ最初に働いてたレストランと変わらないじゃん。

2017年3月2日追記:
実は私おとといのレイトショーで2回目を見てきたんですが、上記のセブが夢を叶えられなかったの自体が監督の意図のような気もしてきました。下でコメントいただいた「悲しき男代表」さんもおっしゃってますが、セブは未練タラタラでミアに引きずられまくっており、一方のミアはどんどん男たちを乗り換えて踏み台にしてのし上がっていくという構図ははっきりしてます。そんでもってこれ完全に薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」ですよね。

夢のいた場所に 未練残しても 心寒いだけさ
<中略>
愛した男たちを 想い出に替えて
いつの日にか 僕のことを想い出すがいい
–「セーラー服と機関銃 作詞:来生えつこ より」

まぁでもこの解釈になっちゃうと、本当に「パラダイス・キス(2011)」とまったく同じになるので、やっぱ45点で上等だよな~とも思います^^;

まとめ

多分この映画に乗れないのは、私の心が濁ってるからです(笑)。気に入る人が一杯いても全然いいですし、感動も全然ありです。かくいう私も描写に腹が立ってるだけで、ストーリー自体には別に文句はありません。最後だってそもそも冒頭で今カレから”ビビっと来て”速攻セブに乗り換えた前歴がありますから、別にどうとも思いません。

実際、ちゃんとミュージカルパートでお話が進んだりっていう基本的な部分はちゃんとできてますから、私もあんまり細かいところを気にせずに見ればそれなりに楽しく観れたと思います。

いろいろ書いてきましたが、こういうのは個人個人の好みの部分ですから、まずは見てみないことには始まりません。是非是非、劇場でご覧ください!もしアカデミー賞を取るようなことがあれば劇場が混んじゃいますから、ゆっくり見るなら今のうちです(笑)。

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セル

セル

今日は2本見てきました。1本目はこちら、

「セル」です。

評価:(35/100点) – オカルト侵略SFの凡作


【あらすじ】

クレイ・リデルは漫画家である。妻と息子を置いて放蕩の旅に出て1年が経ったが、やっと漫画の契約が取れて自宅へ戻ろうとしていた。そんなとき、空港で突然の暴動に巻き込まれる。どうも電話を使っていた人が凶暴化しているようだ。わけがわからないまま、クレイはやっとのことで空港を抜け出し地下鉄のホームまで辿りつく。地下鉄運転士のトムと共に、クレイは自宅を目指す、、、

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【感想】

今日の1本目はスティーブ・キング原作の映画化「セル」です。監督はパラノーマル・アクティビティ2のトッド・ウィリアムズ。脚本をスティーブン・キング本人が書いています。スティーブン・キングでホラーSFといえばお家芸なわけで、これは否が応でもB級の期待をするしかありません!

そして実際に見てみると、、、これ、B級が過ぎます(笑)。

どこかで見たような話のオンパレードでなんかちょっとパロディっぽさすらあり、あんまり盛り上がりません^^;

今回の一発アイデア風呂敷は、「ある瞬間に電話を使っていた人が急にゾンビみたいに凶暴化して襲ってくる」というものです。これ、すごいつい最近、まさにサミュエル・L・ジャクソンが出てた「キングスマン(2014)」にそのまんまのものがありました^^; もちろん小説の発表は「セル」が2006年で圧倒的に早いので全くパクりではないんですが、目新しさはありません。そして、途中で携帯人間がするある”進化”も、まんま「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013)」でエイリアンがやってたのと同じです。大人の男2人と子供の男女4人の珍道中というのもテンプレ的ですし、「いろんなところに立ち寄りながら絶望的なパターンを体験していく」というのもありがちです。

そんなこんなで、な~んかテンションあがらないな~と思って微妙に目が泳ぎながら見ていますと、急に頭にとある作品が浮かんできました(笑)。

これ、全体的な雰囲気がニコラス・ケイジの「ノウイング(2009)」に似てるんです。シャマラン的といいましょうか、アイデア一発でグワァーーーっと風呂敷を広げまくって、それが急激にしぼむ感じ。オカルトホラーなんだけど、な~んか微妙に小じんまりした感じ。以前「スカイライン-征服-(2010)」の時に「最近の侵略SFは主人公たちの無力さを表現するから楽しいんだ!」みたいなことを書きましたが、本作は主人公たちが縦横無尽の大活躍をして携帯人間共をたぶん数千体単位で退治します(笑)。そんなところも引っくるめて、ジャンル映画としても「なんか微妙」なんです。最後の最後の絵面だけは最高にニヤニヤできるんですが、そのために1時間半はキツいです、、、

ということで、無かったことにしましょう^^;

「アンダー・ザ・ドーム」「骨の袋」「11/22/63」と、最近のスティーブン・キング原作者はドラマで当たりが多かっただけに、久々にアレなのを見た気がします。

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マリアンヌ

マリアンヌ

先週末はロバート・ゼメキスの最新作

「マリアンヌ」を見ました。

評価:(40/100点) – オシャレ。以上!


【あらすじ】

時は1942年、モロッコのカサブランカ。RAF(ロイヤルエアフォース=イギリス王立空軍)のマックスは、ドイツ大使の暗殺任務を負ってスパイとして彼の地へ降りたった。マックスに先行して現地社会に潜り込んだフランス人工作員のマリアンヌとともに、マックスは作戦を遂行する。その過程でマックスはマリアンヌに惹かれていく、、、。

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【感想】

さてさて、先週末はロバート・ゼメキスの「マリアンヌ」を見てきました。

ロバート・ゼメキス監督に脚本がイースタン・プロミスのスティーヴン・ナイト、音楽は毎度コンビのアラン・シルヴェストリ。そして主演でブラッド・ピットとマリオン・コティヤール。ガッチガッチに固めてきているこのスタッフ・キャストリストを見ただけで、「こりゃ絶対オシャレないい映画になるんだろうな」という雰囲気をビンビンに出しています。

しかもタイトルが「ALLIED」ですよ。大戦中の連合軍を意味する「ALLIED」の文字間をちょっと開くことで、「ALL LIED = 全部 嘘だった」と「LIED = ドイツ語で”歌”」を掛けてくるというこのオシャレっぷり。

そして実際に見てみますと、、、お、、、オシャレしかない(笑)。

久々に凄いアレな映画がやってきました。雰囲気7割、音楽2割、内容1割。とてもオシャレでオシャレなオシャレ映画です。

前半後半で話が全然違う

本作は良くも悪くも古風な作りをしています。昔は3時間超えの映画だと真ん中に休憩が入ったじゃないですか。私が劇場で見て覚えているのだと、「サウンド・オブ・ミュージック」とか、「十戒」とか、「2001年宇宙の旅」とか。日本映画で最近だと、「愛のむきだし」とか「沈まぬ太陽」とかですかね。本作も、作りはモロにこの「休憩付き前半後半構成」の映画です。

本作の前半1時間はカナダ出身イギリス軍人のマックスがカサブランカで同じく同志マリアンヌと出会い、偽装夫婦としてドイツ大使を暗殺するというスパイものです。マックスがフランス語の訛りをケベック訛からパリ訛に特訓したり、モロッコの風習をマリアンヌに教わったりと、コッテコテのスパイものです。

後半ではうって変わってその18ヶ月後にすっ飛び、マリアンヌがマックスと結婚・引退してロンドン郊外で家庭をもつ話になります。そしてそこで、マリアンヌのダブルスパイ疑惑が浮上し、マックスが真相を探るために奔走します。

そう、この映画は、完全に前半と後半で話が分断されているんです。しかも肝心の中心人物であるマリアンヌが結構な形でキャラ変します(笑)。前半部分では「戦う女」だったマリアンヌは、後半は「子供と家庭の庇護者」としてマックスに守られる”か弱い”存在になります。そしてマックスも、家族を守る男と軍人との間で走り回ります。前半はとっても愉快なんですが、一方の後半は、とっても甘ったるい家族愛ものに変わります。サスペンス・探偵要素も特にありません。

そうなると、当然これはもうストーリーとかほったらかしでベテラン実力俳優の掛け合いを楽しむだけの映画になるわけで、「オシャレだね~」という感想しか出てこないのです(笑)。

とにかくオシャレなんだよ!

舞台となったカサブランカ/ロンドンの背景といい、ジャズ中心の音楽といい、そしてブラピとマリオン・コティヤールの衣装といい、本作にはオシャレ要素がテンコもりです。とにかく画面上の全てがオシャレ。そんななかで火曜サスペンス劇場もびっくりのやっすいサスペンスが展開されたとしても、果たしてそれに文句をいっていいのかというそんな気さえします。言うて見れば荻上ワールドみたいなもんです。だからストーリーを期待してはいけません。とにかくオシャレ。雰囲気命。そして疑いようもなく、オシャレ作りは成功しています。

まとめ

私自身が、何を隠そうオシャレとは正反対の人生を送っていますので、こういう映画の感想を書くのにどうしても語彙が貧弱になってしまいます(笑)。

だってマリオン・コティヤールがセクシーでオシャレじゃん。ブラピだって渋くて軍服が似合っててオシャレじゃん。2人の子供が来てるニットのベビー服だってすごいオシャレじゃん。だからもう映画自体がオシャレじゃん。

ということで、オシャレな方たちのオシャレな昼下がりを彩るのに最適なオシャレ映画です。オシャレにオシャレな時間を過ごしたいオシャレ男子・女子のみなさんにオシャレにおすすめします!

これを見れば、今日から君もオシャレ(ウー)メンだ!

※余談ですが、こういうのを見ると女子高生が「カワイイ!」という単語だけで会話が成り立つという都市伝説がすごい納得できます(笑)。たぶんこの映画をカッポーとかで見て感想を言い合うと、マジで「オシャレ」しか出てこないと思います。

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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

週末は1本、

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見ました。

評価:(65/100点) – やる気復活のティム・バートン節


【あらすじ】

ジェイクは、いつもお爺ちゃんから不思議な話を聞かされて育った。空を飛ぶ女の子。奇妙な双子。力持ちの兄弟に、透明な男の子。そしてそんな奇妙な子どもたちの世話をするミス・ペレグリン。お爺ちゃんの話に空想を膨らませ、彼は学校でもちょっと浮いた存在になっていた。
ある日、ジェイクはお爺ちゃんから電話を受ける。心配になったジェイクがお爺ちゃんの家に駆けつけると、そこには家を荒らされ、そして裏の林で両目をくり抜かれたお爺ちゃんがいた。

「島へいけ。1943年9月3日のループへ。鳥が全てを教えてくれる」。

息を引き取ったお爺ちゃんの言葉を頼りに、ジェイクは父親と共にお爺ちゃんの昔話に出てきたケインホルム島へ向かう。

【三幕構成】

第1幕 -> お爺ちゃんが襲われ、ケインホルムへ行く。
 ※第1ターニングポイント -> ジェイクがループへ入る。
第2幕 -> ミス・ペレグリンの屋敷での交流。
 ※第2ターニングポイント -> ペレグリンがバロンに捕まる
第3幕 -> ペレグリン救出大作戦。


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【感想】

さてさて、週末はティム・バートンの最新作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を見てきました。

最近--特に「 スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (2007)」以降のティム・バートンはちょっと中途ハンパというか、「オレに求められてるのはフリークスが出てくるサブカル受けするコメディだろ?」みたいな感じが凄いでていました。 「アリス・イン・ワンダーランド(2010)」しかり、 「ダーク・シャドウ (2012)」しかり、なんというか、思いっきり滑ってるうえにあんまり監督自身も楽しそうじゃない感じが伝わってきて、ちょいといたたまれない感じです。もうやる気なくなっちゃったのかな、、、という寂しさこみで。

本作は、その迷いが晴れたように、ものすごく全力で「ティム・バートン」をしています(笑)。

ちょいとグロテスクだけどキュートな「奇妙な子どもたち」のキャラクター造形。正統派ゴシック・ホラー調の舞台・背景。「こまけぇことはいいんだよ!」っていう言葉が聞こえてきそうなほど雑だけど勢いのある脚本と、そしてたぶんハリー・ハウゼンのオマージュであるカクカクしたCGドクロ兵士やモンスターたち。同じくハリー・ハウゼン・リスペクトのギレルモ・デル・トロとちょっとモンスター造形が似ちゃってるというところも含めて、とっても画面全体から楽しんでる様子が伝わってきます。

そう、たぶん昔からのティム・バートンのファンならばファンなほど、本作はとってもニヤニヤしながら楽しめるはずです。ジョニー・デップ/ヘレム・ボナム=カーター
の呪縛から解き放たれた無邪気なティム・バートンを楽しめる、とても愉快な作品です。

とてもストレートなジュブナイル活劇

本作はとっても古風なジュブナイルものです。私は原作の小説を読んでいないのですが、この本が2011年発表というのを聞いてちょっとびっくりしました。本作は、それこそ70~80年台に流行った一連の「少年冒険映画」そのものです。「お爺ちゃんから”宝の地図”をもらった少年が、悪党たちに追われながらも旅の仲間と共に宝を探しだす」という超王道ストーリー。このド直球な話に、ティム・バートンの為にあるんじゃないかってくらいちょいグロ・悪趣味なモンスターや異能者たちの要素を載っけていきます。ただ、この映画はたぶん昨年のスピルバーグ監督作「BFG」のように現役の子供に向けて作ったものではなく、「昔こどもだったティム・バートンファンへ作ったセルフパロディ」的な要素が強いです。それこそ目玉をくり抜いたり、小学生が見るにはちょっときつめなショッキング描写が所々に散りばめられており、あきらかに楽しんでワザとやってる感じがビンビン伝わってきます。良くも悪くもポリコレとかなんも気にしてないです(笑)。

これ、作戦としてはとても良く機能しています。いうなれば作品全体として「ダブル・スタンダード」を観客にすんなりと押し付けてきてるんですね。ストーリーが雑な部分は「だって子供向けだし」で押し切ってきて、一方悪趣味描写な部分については「だってこういうの見に来たんでしょ?」と急に大人向けになるという(笑)。でもこれこそが、ティム・バートンであり、そしてヘンリー・セリックと組んだ一連の傑作(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)、コララインとボタンの魔女(2009))の一番の肝だったと思います。キモかわいい的な意味でのグロテスク・ファンタジーとして成立している本作は、もうそれだけでファンならば大満足できるはずです。

逆に言うと、ティム・バートンがあんまり好きじゃないっていう人は、この映画はただのトンデモ作品に見えてしまうかと思います。話や設定が結構穴だらけですし、敵のバロンはおちゃめすぎて脇ががら空きですしね^^; 一番気になるのはループとよその世界との繋がりですよね。ループの中の「奇妙な子どもたち以外の人」はどうなってるんだろうとか、時空の穴/特異点みたいな扱いなのに意外とすんなり未来と繋がっちゃってるなとか、変に平行世界ものみたいになってる部分はうまい具合にボヤかして適当に流してたりしてます(笑)。

【まとめ】

ということで、ティム・バートンのファンの方は当然見に行ったほうがいいですし、見たらもう大満足すること請け合いです。久々に「ちゃんとティム・バートンしてる作品」が見られます(笑)。一方、もし彼にあんまりピンと来ないという方は、まずは 「チャーリーとチョコレート工場(2005)」あたりで予習したほうが良いかもしれません。個人的にはティム・バートンは「PLANET OF THE APES/猿の惑星(リメイク版/2001)」より前が最高に好きです。本作は、なんか昔の彼がちょっと戻ってきた気がしてとても楽しめました。是非是非、劇場でお楽しみください。

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ドクター・ストレンジ

ドクター・ストレンジ

週末はマーベル最新作

「ドクター・ストレンジ」を見ました。

評価:(70/100点) – ん!?雑か!?


【あらすじ】

ドクター・ストレンジは天才的な神経外科医である。その類まれな手腕でもって多くの命を救ってきたものの、いかんせん性格に難があり超自己中だ。彼はある夜に脇見運転で崖から転落し、両手の神経を激しく損傷してしまう。医者として致命的な怪我をおった彼は自暴自棄になっていく。そんな時、ストレンジは奇跡的に下半身不随から復活したという患者の話を聞く。藁にもすがる思いでその男・パングボーンに会った彼は、「カーマ・タージへ行け」という言葉を頼りにネパール・カトマンズへ向かう、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ストレンジの日常と事故
※第1ターニングポイント -> ストレンジがカーマ・タージへ着く
第2幕 -> ストレンジの修行とカエシリウスの反乱
※第2ターニングポイント -> エンシェント・ワンの死
第3幕 -> 香港サンクタム攻防戦


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【感想】

さてさて、土曜はマーベル・シネマティック・ユニバースの最新作「ドクター・ストレンジ」を見てきました。昨年のシビル・ウォーは結構な客入りだったのですが、本作はそんなでも無く、やっぱちょっとキャラの知名度が低いのかな~と思ったりしました^^;

主演はおなじみベネディクト・カンバーバッチ。「スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013)」では歴代屈指のヴィラン・カーンを演じていましたが、比較的真面目な映画に出ているイメージが強く(笑)、正直ドクター・ストレンジはどうなんだろうとちょっと不安でした。ところがですね、蓋を開けてみたら超似合ってる。というか、序盤は普通にいつものカンバーバッチなんですが、魔法を身に着けてヒゲを揃えてからはもうイラストのドクター・ストレンジにしか見えません。蝶野正洋かカンバーバッチかってくらいバッチリです。本当にマーベルは俳優を連れてくるのが上手いです。

そして今回の監督・脚本はこれまたファミリー映画と正反対のスコット・デリクソンを連れてきました。リメイク版「地球が静止する日 (2008)」、「ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ(2000)」「デビルズ・ノット(2013)」「NY心霊捜査官 (2014)」などなど、決してできが良いとはいえないアホ映画ばっかり撮っている監督です^^;ホラー・サスペンス演出の人なんですが、なにせ元ネタ丸わかりのオマージュばっかり詰め込んでくる人で、「楽しそうだけど頭悪っ(笑)」っていう監督なんですね。「あぁゾディアックね」「いまさらブレアウィッチ・ネタか」とか(笑)。

本作でもガッツリとオマージュネタをぶっこんできています。ベースは脚本をDCEUのデヴィッド・ゴイヤーがやった「ダークシティ(1998)」です。本作一番のビジュアル面では、当然「インセプション(2010)」と一連のマトリックスシリーズ、特に「マトリックス レボリューションズ(2003)」です。ビジュアルでマルチバース(多元宇宙)を飛んで行くところとか、ミラー・ディメンジョンで建物や街を歪めるところとかはモロです。あとは、回転廊下で「2001年宇宙の旅(1968)」も入ってますね。階段に落ちてからマントで戻ってくるのとかは「バック・トゥ・ザ・フューチャー2(1989)」ですし。こういった感じで、とにかく監督が好きなものを根こそぎぶっこんできて、あとは勢いでカバーしています。

そう。本作は近年のマーベル・シネマティック・ユニバースでは珍しいなってくらい話のプロットが雑です(笑)。

ドクター・ストレンジが魔法を使えるようになる修行過程がよくわかりませんし、カーマ・タージに魔法使いが多すぎて全然秘密結社になってないうえに、他の魔法使い達がその後全然戦力として出てきません。そもそもカーマ・タージでストレンジが相応の期間修行してるはずなのに、その間はカエシリウスがなんにもしないで潜伏しててくれるんですよね。カエシリウスからしたら待ってる理由はないですからさっさと攻めてこないといけないんですが、ストレンジの修行中は律儀に大人しくしてて、修行が一段落したらいきなりロンドンとニューヨークに立て続けに攻めてくるという^^; ストレンジが途中で離脱して手術を受けるシーンでも、カエシリウスはニューヨーク・サンクタムを潰さずに待ってますしね。結構空気が読める良い人なんです(笑)。

そういった意味だと、本作ラスボスのドルマムゥもかなり素直で良い人です。ストレンジの嫌がらせを受ける損な役回りで、そのわりにあんまり悪いこともしてないっていう可哀想なキャラです。

そんなわけで、本作はもう話の筋とかどうでも良くて、とにかくカンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが「嫌味で高飛車だけど格好いい!」というだけを見る完全に割り切ったキャラものになっています。個人的にはMCUの中では「マイティ・ソー(2011)」以上「アントマン(2015)」以下ぐらいの出来かな~と思います。低いんだか高いんだか良く分かりません(笑)。

決してつまらないわけではないんですが、かといって面白いわけでもなく、やっぱりMCUお得意のキャラ紹介シリーズにしかなってないかなと思います。今後、「マイティ・ソー3(マイティ・ソー:ラグナロク)」と「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」に登場しますので、その顔見せですね。本作のエンドロール中にはまさにこの「ソー:ラグナロク」のイントロが流れます。

ですから、一応チェックはしておいたほうがいいんですが、まぁあんまりハードルを上げずにポップコーンとビール片手にふらっと見に行くぐらいの姿勢で丁度いいかと思います。

余談ですが、カーマタージの本拠地が原作のチベットからカトマンズに変更になってるあたりに、諸々の政治的な配慮を感じます(笑)。マーケットとして無視できないですからね^^;

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ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント

土曜日は

「ザ・コンサルタント」を見ました。

評価:(35/100点) – あんま爽快感が無い、、、


【あらすじ】

クリスチャン・ウルフは高機能自閉症の会計士である。中華料理屋と洗濯屋の並びの長屋に居を構えた小さな個人会計事務所で、今日も地元のお年寄りの税理業務を手伝っている。

ある日、クリスはリビング・ロボティクス社の横領疑惑の会計監査を頼まれる。得意の驚異的数学力で過去15年分の書類を一晩で洗った結果、クリスは横領と支払い還流に気付く。しかし、それが表沙汰になる直前になって横領犯と目されるCFOのエドが自殺をしてしまう。社長のラマー・ブラックバーンから一方的に事件の幕引きを言い渡されたクリスは、自分の気質と相まって猛烈なフラストレーションを溜めていく。そんなおり、突如クリスは命を狙われる、、、。


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【感想】

さて、土曜日はベン・アフレック主演の最新作「ザ・コンサルタント」を見てきました。今年はこの「ザ・コンサルタント」と「夜に生きる(5月公開)」が立て続けに公開され、さらにはバットマン単独映画も撮影しつつジャスティス・リーグの脚本にも手を入れていると、大車輪のベン・アフレックです。今作はついないだ公開された「ジェーン」の監督・ギャビン・オコナーと組んでおり、俳優のみでの参戦です。

実は私、体調不良の中で無理やり見ていたものですから、あんまりこの映画にテンションが高くありません^^; ちょいと辛口になるのをご容赦下さい。

どうしてこうなった、、、

本作は物凄い変な映画です。

予告を見たときにはてっきり「ユーロコープ映画」のノリだと思ったんですね。舐めてたヤツが実はスーパー殺し屋だった!大変だ!!悪役全員ぶっ倒せ!的な。確かに大筋はそうなんですが、この映画は大きく3つの話が並行で動いており、そのどれもがかなり雑に回収されていきます。

1つはFinCEN(※Financial Crimes Enforcement Network:アメリカ財務省のマネーロンダリング専門対策チーム)が行うマフィアのマネロンを請け負っていると思われる会計士の捜査です。こちらは長官のレイ・キングと脛に傷持つ新人のメリーベス・メディナが主役です。メリーベスはマフィア皆殺し事件の現場テープと偽名の数々を手がかりとして、捜査を行っていきます。

もう1つは会計士クリスの過去トラウマ話です。高機能自閉症と診断されたクリスは、一人でも生き残る術を学ぶため、実の弟ブラクストンと共に元大佐のゴリゴリ体育会系親父からインドネシアの格闘技・シラットを叩き込まれます。そしていじめられっ子たちを物ともしない立派なオトナへ成長していきます。

最後に、本作の中心となるリビング・ロボティクス社の不正会計事件の監査と、そこで出会う経理職員のデイナとの交流、さらに巻き込まれる陰謀の話です。

この3つがロクに整理もされない状態で、すっちゃかめっちゃかグッチャグッチャに混ざって展開されます。もうね、、、せめて整理してくれないかなっていうくらいテンポもヘッタクレも無い叩き込み方をしてくるので、なんかどんどん興味がなくなってくるんですよね。

結論を行ってしまえば、3つめのリビング・ロボティクス社の話以外は全部カットでいいです。蛇足も蛇足。要らない。直接本題と関係ないですから^^;

本作には最後に2つほど”あるオチ”が待っておりまして、そのための布石が1つ目と2つ目のストーリーなんですね。ですが、このオチ自体が「続編に色気だしてるのかな?」っていうくらいふつーーーの内容なため、バレバレな上にもったいぶり方も回収の仕方も本当に酷い(笑)。ということで、結構面白いメインストーリーを全て台無しにしてくれます。

こういうのって見せ方の問題だと思うんですね。話のボリュームと映画の上映時間ってある程度比例していてしかるべきです。当たり前ですけど、アクション映画には長めな2時間10分も引っ張るなら当然2時間10分相当のオチを持ってきてもらわないと困るんです。それが、フタを開けたら連続30分ドラマの第1話みたいなのが待ってるわけです。

これだと全然納得出来ないです。

爽快感もないし、無駄に長いし、そのうえ話は雑だし、ほんとにどうしてこうなったんでしょう。さすがにこの規模の作品じゃベン・アフレックが直接台本を直したりはしないですよね^^;

良い所:ベン・アフそのもの。悪い所:そこに頼りすぎ。

今回の白眉といいましょうか一番良かった所は、やっぱりベン・アフそのもののアイドル要素になります。ムキムキの筋肉ダルマなのに怯えた子犬みたいな高機能自閉症の天才を演じていて、しかもそれがスイッチが入ると手がつけられない殺人マシーンで、それも何故か東洋の神秘・シラットの達人という、この盛り込み方(笑)。詰め込みすぎだろってくらい詰め込みまくったこのクリスというキャラと、ちょっと間の抜けた愛されキャラのベン・アフ本人のシンクロ性が、本作の唯一の拠り所です。というかですね、この映画を作った人たちはベン・アフレックに頼りすぎ。さすがのベン・アフも130分をアイドル要素だけでもたせたるのは荷が重いです。ちょっとこれは可哀想。

「ベン・アフレックが天才会計士だなんてステキ!」とかいってみても、そもそも外見のムキムキっぷりが既に普通の計算オタクじゃないですから(笑)、「ギャップ萌え」ってよりは総ツッコミ待ち状態なんです。「なんだこの会計士!ただものじゃないぞ!」って、そりゃおまえ、見りゃ分かるだろと。身長191センチ体重100kgで体脂肪率1ケタの会計士が”ただもの”なわけがない(笑)。完全に余談ですが、毎年1月4日に秋葉原のヨドバシカメラ周辺にいくと、東京ドーム大会が終わった直後の新日本プロレスのレスラーの打ち上げによく遭遇します。見た瞬間に体格にビビりますよ^^; 同じ人間と思えないくらいデカイですから。

ですからですね、このベン・アフが普通に「内向的なオタク」みたいな扱いを受けている世界観自体がちょっとコントっぽいというか、もうそれだけであんま真面目に見るのもな~~~っていう感じなんです。「ゴーン・ガール(2014)」なんかでは分かりやすく「キレたら怖そう」っていう部分をちゃんと出してたじゃないですか。それが本作ではまったく無いんですね。あくまでも「普段おとなしいのに実はヤバイ人だったのだ!!!」っていうベースラインでくるため「イヤイヤそれは無いんじゃね。」っと軽く白けてしまいます。

【まとめ】

本作については、たぶん頑張って褒めるにしても「ベンアフ格好いい!」みたいな部分しか無理なんじゃないかと思います。じゃあアイドル映画として良い出来なのかと言われると、それはそれで見せ場が少なすぎるなというのがあり、結局とても中途ハンパです。どうせやるならジェイソン・ステイサムの映画みたいに開き直って完全アイドル映画にしちゃえばイイのにと思わずにはいられません。

話の設定や大筋は面白くなりそうな要素がテンコ盛りなだけに、ちょっと勿体無いなという作品でした。

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