ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

土曜は2本見てきました。1本目はマーベル最新作

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」です。

評価:(82/100点) – ヤンキー=マイ・メン+マザコン


【あらすじ】

ガーディアンズの面々はソブリン人の依頼でアニュラクス・バッテリーの防衛を任される。軽々仕事をこなして、報酬として囚われの身のネピュラを確保したガーディアンズだったが、なんとロケットが肝心のバッテリーを盗んでいた!「防衛を引き受けた貴重品を自分で盗むバカがどこにいるか!」大激怒するソブリン人達から命からがら逃げるガーディアンズを救ったのは、謎のカプセル型宇宙船でサーフィンを決め込むナイスダンディだった。いかしたオジさんは、ピーターにこう声を掛ける。「探したぞ、我が息子よ」。こうしてガーディアンズは二手に別れる。ロケット、グルート、捕虜ネピュラの三人は壊れた宇宙船ミラノを修理するためとどまり、ピーター、ガモーラ、ドラックスの三人は、ピーターの父の故郷と言われる惑星エゴへ向かう、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> バッテリー防衛とソブリン人の追撃
※第1ターニングポイント -> ガーディアンズがベアハートに不時着する
第2幕 -> ふた手に別れた行動
※第2ターニングポイント -> ピーターが真実を知る
第3幕 -> 惑星エゴ決戦


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【感想】

さて、土曜はマーベル・シネマティック・ユニバースの15作目、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」を見てきました。前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」は「ダメ人間たちがダメなまんまで宇宙を救うスペース・オペラ」として超大傑作すぎる内容で親指が上がりっぱなしでしたが、本作ではダメ人間から「ダチ公マイ・メン!」な感じのマイルドヤンキー志向にシフトしまして、よりエモい方向に方針転換しています。ちょうど最近「ワイルド・スピード ICE BREAK (Fast & Furious 8)」を見たばっかりなので、完全にテーマが被ってました^^;

本作では実の「家族」と、マフィア/ヤンキー的な意味での「ファミリー」の間で多くのエモい事件が発生します。

アベンジャーズ・シリーズのラスボス・”青ゴリラ”サノスの娘であるガモーラとネビュラ姉妹の確執。実験動物として家族を持たない(=持てない)ロケットと、相方でありながら前作で犠牲となり転生した赤ん坊のグルート。妻と娘を殺されて孤独なドラックス。栄光のラヴェジャーズから追放されワルとして生きるヨンドゥと、彼に誘拐され育てられたピーター。こういった孤独を感じるハグレもの達が、「ガーディアンズ」というチームによって仮想家族となり、お互い絆を深めていきます。

そう、これ、スペースペラを使っているだけで、やってることはドヤンキー人情ものなんですね。全世界規模でマイルドヤンキー化が進んでいるという、、、良いのか悪いのか^^;

ただ、「ワイルド・スピード ICE BREAK」が「ヘッドの隠し子を救うためにファミリーが頑張る」という非道徳/ヤンキー色が強すぎる(笑)内容であるのに対し、こちらはよりマイルドで道徳的な方向に着地しております。そういった意味では、こちらの方がより万人受けします。

相変わらずジェームズ・ガン監督が上手いのは、こういったエモエモ全開の話の合間に事あるごとオヤジギャグをぶち込んでバランスをとってくる所です。最後の最後、カーテンコールの超エモい花火&ラストカットの涙まで、なるべく観客が泣き出さないようにひたすらハズしてきます。そして、観客の「泣きたいのに泣けないよ~~~」を完全に殺しに来るラストで、ものっすごいアザとい演出を使い、ものっすごいピンポイントに泣かせにきます。ダメ人間が名誉回復する話なんだから、そりゃウルっときても仕方ないですわ。仕方ないけど、あまりのアザとさに個人的にはちょっと引きました(笑)。正直な話、泣ける映画度は前作より格段に上がっていますが、映画としてのクオリティというか対象レベルはちょっと下がってると思います。

この後の展開として、マーベル・シネマティック・ユニバースとしては「スパイダーマン・ホームカミング(2017夏)」「ソー:ラグナロク(※バトルロイヤルとかいうクソ邦題はボイコットします。)」「ブラック・パンサー(2018春)」と続いて「アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォー(2018GW)」に行きます。ガーディアンズが前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)」でノバ帝国に預けたオーブをサノスが奪いに来るのは確実なので、「アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォー」でガーディアンズが乱入してくるのはほぼ間違いありません。

本作の舞台が2014年。「ドクター・ストレンジ」の冒頭が「キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー」と同時期(※事故に遭う車の中でローディのカルテが映る)で2016年。アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォーの舞台が2018年になると考えると、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」からは4年後になります。グルートはどこまで成長しているのか?ガーディアンズのチーム力は上がっているのか?スタローン率いるラヴェジャーズの参戦は? キャラが飽和状態で散らかり始めたMCUですが、まだまだ大団円まで突っ走りそうです。

ただ、結局これって原作アメコミと同じく「一見さんお断り」状態になりつつあるんですね。DCコミックでは全部リセットして「New52!シリーズ」と銘打って最初からやり直しましたが、MCUもどこかで一区切り付けないといけないかもしれません。

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記事の評価
無限の住人

無限の住人

昨日はキムタク主演で「コケた」「コケた」と言われまくっている

「無限の住人」を見てきました。

評価:(80/100点) – コスプレ・チャンバラ劇の快作


【あらすじ】

時は江戸。逸刀流を名乗る超党派集団によって街の剣術道場が次々と破られていた。ある夜、いつものように稽古を終え晩御飯を食べていた無天一流統主・浅野道場の一人娘リンの元にも、逸刀流の道場荒らしが押しかける。目の前で父を殺され母を連れ去られたリンは、両親の復讐を誓う。
それからしばらくして、父の墓の前で稽古をしていたリンの元に、不思議なオババが現れる。「やおびくに」を名乗るオババは、リンに「絶対に死なない用心棒」を雇うよう勧める。その男は、人里離れた山小屋に住んでいるという、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> 逸刀流の道場荒らしとリンの決意
※第1ターニングポイント -> リンが万次と出会う
第2幕 -> 逸刀流剣士達との戦い
※第2ターニングポイント -> 天津影久が伊羽研水の元を訪ねる
第3幕 -> 公儀軍vs天津vs万次


【感想】

ご無沙汰しております。きゅうべいです。最近例によってあんまりブログを書いていなかったのですが、今日はこの「無限の住人」について書きたいと思います。去年の「バットマンvsスーパーマン」もそうなんですが、やっぱりこうブログを書くモチベーションが一番上がるのって「こんないい映画がコケるのか!?俺が擁護したる!!!」っていう謎の親心なんですね(笑)。そう、本作はキムタク主演で「コケたコケた」「キムタク終了」「SMAPを裏切った報いじゃ!ざまぁみろ!」みたいなトーンで語られることが非常に多いように見受けられます。でもね、君ら本当に映画みたのかと。少なくとも「娯楽アクション映画」というくくりの中では、本作はすごくオーソドックスで基本に忠実に作られた「出来の良い映画」です。そんな所も含めまして、以下全力擁護で書かせていただきます。

それではいつもの注意書きを。以下、多大なるネタバレが含まれます。どんでん返しとかを期待するようなミステリー作品ではないですが、未見の方、これから見ようと思っている方はご注意ください。いやね、本心から映画館で見たほうがいいですよ。2時間半近くある長い映画ですがあっという間に終わります。マジでオススメできる作品ですので、是非是非、未見の方は打ち切り前に劇場に滑り込んで下さい。

まずは前提とお詫びから

もしかしたらキムタクファンの方が間違って当ブログに迷い込んでしまうかも知れないので(笑)、一応私の立ち位置をハッキリさせておきます。

「無限の住人」という作品については、漫画とアニメは完全に未見で前情報も劇場予告のみです。つまりほぼまっさら。「なんかキムタクがチャンバラして三池崇史が監督なんでしょ?」ぐらいの情報量です。そして、三池崇史監督にはだいぶ好意的な立ち位置であり、「愛と誠(2012)」でさえ「三池監督の悪ふざけならこんなもんじゃね?」ぐらいのバイアスをもってます(笑)。

一方のキャストに踏み込みますと、キムタクは例のSMAP公開処刑でハッキリ嫌いになりましたし、役者としての評価は織田裕二と同じ「大根・俺様・スターアイドル」の引き出しに入ってます。福士蒼汰にも杉咲花にも、まったく思い入れがありません。というか、敵役が福士蒼汰なのに全然気付かず(笑)、なんかこの人ガリガリ・ホネホネでキモいな、、、伊勢谷のそっくりさんの韓国人俳優かな、、、と中盤まで本気で思っていました。そのぐらいの大変雑な感じです。

そんなわけでありますから、もし「キムタク格好よかった~!」「福士キュン最高!!!!」みたいなテンションの方はそっとブラウザを閉じてあげて下さい。以下「キムタクをうまく使えてたよ!」という話はしますが「演技が上手かった」的な話はありません。申し訳ございませんがご容赦下さい。

コスプレ時代劇としての説得力の出し方

さて、ここからが本題です。この作品は厳密には時代劇というよりチャンバラ劇です。ハナから「斬られても斬られても死なない男の話」っていう時点でホラー・ファンタジー要素全開ですし、開始早々の金子賢軍団vsキムタクや、道場破り=逸刀流揃い踏みの絵面が安全にコスプレ劇です。さらに話し言葉も軽い現代調ですし、武器にいたってはヘンテコな形状のものばかりです。ですから、これは相当頑張らないと説得力=リアリティが出せません。ただのデキの悪いコントになってしまいます。たぶん未見で本作を叩いていた方たちは、そういう「コスプレ時代劇」を想像していたんだと思いますし、実際に私も見る前は「どうせコスプレものでしょ」と思ってました。

ところがどっこい、、、、本作はそういったセリフや見た目といったキャラの軽さ=薄っぺらさに説得力を出させるために、とてつもなく気を使っています。わかりやすい所でいうと、いわゆる人体損壊の「グロ描写」です。「三池崇史=悪趣味節」として語られることも多いですが、コスプレ時代劇できっちり血や千切れた手足を見せるのは、それだけで十分にリアリティに貢献します。ちなみに、よく見てると同じ手首を切られるシチュエーションでも血が出る場面と出ない場面を使い分けていたりして、極力グロくならないように気を使っているのがわかります。「見た目はチャラいけど、中身は真面目なんだよ」ってことですね。さらにさらに、アクション動作一つとってもよく出来ています。本作の万次は、いくつかの武器を持ち替えながら大集団を叩きのめしていきます。その際、従来の殺陣のように「叩き切る」のではなくて「撲殺」していくんですね。日本刀は2~3人切っただけでも刃先がナマって切れなくなりますから、この「撲殺」描写はとてもリアリティがあります。殺陣の様式美ではなくて、アクションチャンバラとしての説得力に振り切ってます。実際には今からキムタクに殺陣を一から教え込むのは無理だからってのもあるんでしょうが、この選択はとても良いです。加えて、チャンバラの終盤になって疲れてくると、武器を肩に担ぐ時に「よっこらせ」って感じで背筋と振り子の反動を使ってゆっくり担ぐんですね。こういった細かい仕草・演出によって、絶妙なバランスのリアリティラインが保たれています。実際にはチャンバラの途中で急に袖から大きな武器を出したりしていて「四次元ポケットかよ!」みたいなツッコミは有るんですが、勢いがあるためそこまで気になりません。
この辺のバランス感覚は、久々に本気の三池崇史を見た気がしました。

いかに不死のヒーローを「無敵」と見えなくするか

ストーリー面で言いますと、この作品の万次は「死なないヒーロー」であり、それってつまり「セガール映画」的に大暴れできるってことなんですね。無敵のヒーローにピンチもヘッタクレもないですから、本来であればキムタクが格好良く暴れまわるだけの完全アイドル映画になっても不思議ではありません。ところが、この作品では「死なないヒーロー」=「命のやり取りの緊張感がない」=「剣の腕が鈍っている」という論理展開でもって、万次が弱いんです。これってプロレス的には非常に需要な要素です。ヒーローサイドの秘密兵器である「肉を切らせて骨を断つ」「ピンチからの大逆転」を毎試合出来ることになります(笑)。これは発明だと思います。実際、本作のチャンバラは毎回「必死剣・鳥刺し」を出しているようなもんです。反則じゃねぇか(笑)。

さらに序盤で同じ不死能力をもった海老蔵を殺すことで、「弱いだけじゃなくて万次が死ぬ可能性もちょっとはあるぞ」という実例を示し、かつ理由はよく分かりませんが「戦いを重ねることで回復に時間がかかるようになる」という演出も入ります。これによって、中盤以降にリンが万次を気遣い始める描写がすんなりと入ってくるようになります。

ご都合主義の積み重ねと言ってしまえばそれまでですが、アクションの勢いと相まってものすごくテンションを上げてくれます。

終盤のぐちゃぐちゃっぷりだけが惜しい

とまぁ以上のように、本作はとても良くできています。ただ、それが終盤の市原隼人が出てきた辺りから収拾がつかなくなっていきます(笑)。具体的には「リン・万次の復讐劇」と「幕府による逸刀流壊滅作戦」が同時並行で進みはじめ、さらに共通の敵として共闘すること無くリン・万次組と幕府軍まで対立し始めちゃうんですね。そしてこの混乱が戸田恵梨香扮するマキエの登場でピークを迎えます。そう、この映画の悪いところを一身に背負わされたのは、実はキムタクではなく戸田恵梨香です。可哀想に、、、、。

マキエは、仇役である天津影久の人間性を補足する役として登場します。でもね、(漫画はわかりませんが)この映画において天津影久にそんな補強はいらないんですよ。天津影久は爺さんの逆恨みを晴らすために復讐鬼となった狂気の剣士であり、「復讐ばっかり考えてるとロクな大人にならないよ」というリンへの反面教師なんですね。だから、こいつはとことん利己的で、他人になんて全然興味も感慨も無くて、ひたすら野心と復讐心だけで突き進む「冷たい人」が似合ってます。その点で、福士蒼汰のちょっと浮世離れした無表情な感じがとても良くマッチしてましたし、闘争心をむき出しにして戦う粗野な万次と上手く対比できてるんです。余談ですが、その意味でキムタクにとっても万次役は最高でした。万次は基本的にはただ唸って剣を振り回しているバーサーカー的な役柄でOKですからね。

この天津にマキエというサポーターが現れ、さらに罠にはめられることで中途ハンパに人間味がでてしまい、悪役っぷりがヌルくなっちゃったのは否めません。どっちらけになる万次vsマキエ戦での自分語りと相まって、戸田恵梨香は完全にババを引きました(笑)。三節棍みたいな武器は良かったんですけどね。そこにきて最終バトルで急に天津と万次が共同で公儀軍を倒すみたいな謎バトルが勃発しちゃうもんですから、「結局、天津とはなんだったのか」みたいなよくわからない事態になってしまい、エピローグの一騎撃ちを盛り下げる要因になってしまいました。シラの乱入も明らかに蛇足ですしね。エンドロールに「脚本分析」でクレジットされてる方がいたのでスクリプトドクターを入れてるっぽいんですが、「リンの復讐劇」っていう一本筋だけは死守したほうが良かったように思います。

ちなみにこの終盤の大乱闘を見ていて一番頭に浮かんだのは園子温監督の「地獄でなぜ悪い(2013)」でした。「こまけぇことはいいんだよ!祭りじゃ!!!」みたいな勢いだけで乗り切ろうとするのがそっくりです(笑)

【まとめ】

久々にブログを書いたら纏まりきらなくなってきました(笑)。もしまだ「無限の住人」を未見で、しかもその理由が「キムタクがウザいから」という人は、是非レンタルが始まったあたりで騙されたと思って見てみてください。この映画、キムタクという”アク”を完璧にコントロールしています。ツイッターにも書きましたが、こういう中身がちゃんとしている映画がワイドショー的な要素で消えていくのはなんとも寂しいものが有ります。直近で言えば「暗黒女子(2017)」なんかもそうです。不倫して新興宗教に出家しちゃった人が出ていることと、映画の出来とは関係ないですからね。

ということで、本作、大プッシュで映画ファンにおすすめしたいと思います。

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記事の評価
ドクター・ストレンジ

ドクター・ストレンジ

週末はマーベル最新作

「ドクター・ストレンジ」を見ました。

評価:(70/100点) – ん!?雑か!?


【あらすじ】

ドクター・ストレンジは天才的な神経外科医である。その類まれな手腕でもって多くの命を救ってきたものの、いかんせん性格に難があり超自己中だ。彼はある夜に脇見運転で崖から転落し、両手の神経を激しく損傷してしまう。医者として致命的な怪我をおった彼は自暴自棄になっていく。そんな時、ストレンジは奇跡的に下半身不随から復活したという患者の話を聞く。藁にもすがる思いでその男・パングボーンに会った彼は、「カーマ・タージへ行け」という言葉を頼りにネパール・カトマンズへ向かう、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ストレンジの日常と事故
※第1ターニングポイント -> ストレンジがカーマ・タージへ着く
第2幕 -> ストレンジの修行とカエシリウスの反乱
※第2ターニングポイント -> エンシェント・ワンの死
第3幕 -> 香港サンクタム攻防戦


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【感想】

さてさて、土曜はマーベル・シネマティック・ユニバースの最新作「ドクター・ストレンジ」を見てきました。昨年のシビル・ウォーは結構な客入りだったのですが、本作はそんなでも無く、やっぱちょっとキャラの知名度が低いのかな~と思ったりしました^^;

主演はおなじみベネディクト・カンバーバッチ。「スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013)」では歴代屈指のヴィラン・カーンを演じていましたが、比較的真面目な映画に出ているイメージが強く(笑)、正直ドクター・ストレンジはどうなんだろうとちょっと不安でした。ところがですね、蓋を開けてみたら超似合ってる。というか、序盤は普通にいつものカンバーバッチなんですが、魔法を身に着けてヒゲを揃えてからはもうイラストのドクター・ストレンジにしか見えません。蝶野正洋かカンバーバッチかってくらいバッチリです。本当にマーベルは俳優を連れてくるのが上手いです。

そして今回の監督・脚本はこれまたファミリー映画と正反対のスコット・デリクソンを連れてきました。リメイク版「地球が静止する日 (2008)」、「ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ(2000)」「デビルズ・ノット(2013)」「NY心霊捜査官 (2014)」などなど、決してできが良いとはいえないアホ映画ばっかり撮っている監督です^^;ホラー・サスペンス演出の人なんですが、なにせ元ネタ丸わかりのオマージュばっかり詰め込んでくる人で、「楽しそうだけど頭悪っ(笑)」っていう監督なんですね。「あぁゾディアックね」「いまさらブレアウィッチ・ネタか」とか(笑)。

本作でもガッツリとオマージュネタをぶっこんできています。ベースは脚本をDCEUのデヴィッド・ゴイヤーがやった「ダークシティ(1998)」です。本作一番のビジュアル面では、当然「インセプション(2010)」と一連のマトリックスシリーズ、特に「マトリックス レボリューションズ(2003)」です。ビジュアルでマルチバース(多元宇宙)を飛んで行くところとか、ミラー・ディメンジョンで建物や街を歪めるところとかはモロです。あとは、回転廊下で「2001年宇宙の旅(1968)」も入ってますね。階段に落ちてからマントで戻ってくるのとかは「バック・トゥ・ザ・フューチャー2(1989)」ですし。こういった感じで、とにかく監督が好きなものを根こそぎぶっこんできて、あとは勢いでカバーしています。

そう。本作は近年のマーベル・シネマティック・ユニバースでは珍しいなってくらい話のプロットが雑です(笑)。

ドクター・ストレンジが魔法を使えるようになる修行過程がよくわかりませんし、カーマ・タージに魔法使いが多すぎて全然秘密結社になってないうえに、他の魔法使い達がその後全然戦力として出てきません。そもそもカーマ・タージでストレンジが相応の期間修行してるはずなのに、その間はカエシリウスがなんにもしないで潜伏しててくれるんですよね。カエシリウスからしたら待ってる理由はないですからさっさと攻めてこないといけないんですが、ストレンジの修行中は律儀に大人しくしてて、修行が一段落したらいきなりロンドンとニューヨークに立て続けに攻めてくるという^^; ストレンジが途中で離脱して手術を受けるシーンでも、カエシリウスはニューヨーク・サンクタムを潰さずに待ってますしね。結構空気が読める良い人なんです(笑)。

そういった意味だと、本作ラスボスのドルマムゥもかなり素直で良い人です。ストレンジの嫌がらせを受ける損な役回りで、そのわりにあんまり悪いこともしてないっていう可哀想なキャラです。

そんなわけで、本作はもう話の筋とかどうでも良くて、とにかくカンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが「嫌味で高飛車だけど格好いい!」というだけを見る完全に割り切ったキャラものになっています。個人的にはMCUの中では「マイティ・ソー(2011)」以上「アントマン(2015)」以下ぐらいの出来かな~と思います。低いんだか高いんだか良く分かりません(笑)。

決してつまらないわけではないんですが、かといって面白いわけでもなく、やっぱりMCUお得意のキャラ紹介シリーズにしかなってないかなと思います。今後、「マイティ・ソー3(マイティ・ソー:ラグナロク)」と「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」に登場しますので、その顔見せですね。本作のエンドロール中にはまさにこの「ソー:ラグナロク」のイントロが流れます。

ですから、一応チェックはしておいたほうがいいんですが、まぁあんまりハードルを上げずにポップコーンとビール片手にふらっと見に行くぐらいの姿勢で丁度いいかと思います。

余談ですが、カーマタージの本拠地が原作のチベットからカトマンズに変更になってるあたりに、諸々の政治的な配慮を感じます(笑)。マーケットとして無視できないですからね^^;

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記事の評価
ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント

土曜日は

「ザ・コンサルタント」を見ました。

評価:(35/100点) – あんま爽快感が無い、、、


【あらすじ】

クリスチャン・ウルフは高機能自閉症の会計士である。中華料理屋と洗濯屋の並びの長屋に居を構えた小さな個人会計事務所で、今日も地元のお年寄りの税理業務を手伝っている。

ある日、クリスはリビング・ロボティクス社の横領疑惑の会計監査を頼まれる。得意の驚異的数学力で過去15年分の書類を一晩で洗った結果、クリスは横領と支払い還流に気付く。しかし、それが表沙汰になる直前になって横領犯と目されるCFOのエドが自殺をしてしまう。社長のラマー・ブラックバーンから一方的に事件の幕引きを言い渡されたクリスは、自分の気質と相まって猛烈なフラストレーションを溜めていく。そんなおり、突如クリスは命を狙われる、、、。


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【感想】

さて、土曜日はベン・アフレック主演の最新作「ザ・コンサルタント」を見てきました。今年はこの「ザ・コンサルタント」と「夜に生きる(5月公開)」が立て続けに公開され、さらにはバットマン単独映画も撮影しつつジャスティス・リーグの脚本にも手を入れていると、大車輪のベン・アフレックです。今作はついないだ公開された「ジェーン」の監督・ギャビン・オコナーと組んでおり、俳優のみでの参戦です。

実は私、体調不良の中で無理やり見ていたものですから、あんまりこの映画にテンションが高くありません^^; ちょいと辛口になるのをご容赦下さい。

どうしてこうなった、、、

本作は物凄い変な映画です。

予告を見たときにはてっきり「ユーロコープ映画」のノリだと思ったんですね。舐めてたヤツが実はスーパー殺し屋だった!大変だ!!悪役全員ぶっ倒せ!的な。確かに大筋はそうなんですが、この映画は大きく3つの話が並行で動いており、そのどれもがかなり雑に回収されていきます。

1つはFinCEN(※Financial Crimes Enforcement Network:アメリカ財務省のマネーロンダリング専門対策チーム)が行うマフィアのマネロンを請け負っていると思われる会計士の捜査です。こちらは長官のレイ・キングと脛に傷持つ新人のメリーベス・メディナが主役です。メリーベスはマフィア皆殺し事件の現場テープと偽名の数々を手がかりとして、捜査を行っていきます。

もう1つは会計士クリスの過去トラウマ話です。高機能自閉症と診断されたクリスは、一人でも生き残る術を学ぶため、実の弟ブラクストンと共に元大佐のゴリゴリ体育会系親父からインドネシアの格闘技・シラットを叩き込まれます。そしていじめられっ子たちを物ともしない立派なオトナへ成長していきます。

最後に、本作の中心となるリビング・ロボティクス社の不正会計事件の監査と、そこで出会う経理職員のデイナとの交流、さらに巻き込まれる陰謀の話です。

この3つがロクに整理もされない状態で、すっちゃかめっちゃかグッチャグッチャに混ざって展開されます。もうね、、、せめて整理してくれないかなっていうくらいテンポもヘッタクレも無い叩き込み方をしてくるので、なんかどんどん興味がなくなってくるんですよね。

結論を行ってしまえば、3つめのリビング・ロボティクス社の話以外は全部カットでいいです。蛇足も蛇足。要らない。直接本題と関係ないですから^^;

本作には最後に2つほど”あるオチ”が待っておりまして、そのための布石が1つ目と2つ目のストーリーなんですね。ですが、このオチ自体が「続編に色気だしてるのかな?」っていうくらいふつーーーの内容なため、バレバレな上にもったいぶり方も回収の仕方も本当に酷い(笑)。ということで、結構面白いメインストーリーを全て台無しにしてくれます。

こういうのって見せ方の問題だと思うんですね。話のボリュームと映画の上映時間ってある程度比例していてしかるべきです。当たり前ですけど、アクション映画には長めな2時間10分も引っ張るなら当然2時間10分相当のオチを持ってきてもらわないと困るんです。それが、フタを開けたら連続30分ドラマの第1話みたいなのが待ってるわけです。

これだと全然納得出来ないです。

爽快感もないし、無駄に長いし、そのうえ話は雑だし、ほんとにどうしてこうなったんでしょう。さすがにこの規模の作品じゃベン・アフレックが直接台本を直したりはしないですよね^^;

良い所:ベン・アフそのもの。悪い所:そこに頼りすぎ。

今回の白眉といいましょうか一番良かった所は、やっぱりベン・アフそのもののアイドル要素になります。ムキムキの筋肉ダルマなのに怯えた子犬みたいな高機能自閉症の天才を演じていて、しかもそれがスイッチが入ると手がつけられない殺人マシーンで、それも何故か東洋の神秘・シラットの達人という、この盛り込み方(笑)。詰め込みすぎだろってくらい詰め込みまくったこのクリスというキャラと、ちょっと間の抜けた愛されキャラのベン・アフ本人のシンクロ性が、本作の唯一の拠り所です。というかですね、この映画を作った人たちはベン・アフレックに頼りすぎ。さすがのベン・アフも130分をアイドル要素だけでもたせたるのは荷が重いです。ちょっとこれは可哀想。

「ベン・アフレックが天才会計士だなんてステキ!」とかいってみても、そもそも外見のムキムキっぷりが既に普通の計算オタクじゃないですから(笑)、「ギャップ萌え」ってよりは総ツッコミ待ち状態なんです。「なんだこの会計士!ただものじゃないぞ!」って、そりゃおまえ、見りゃ分かるだろと。身長191センチ体重100kgで体脂肪率1ケタの会計士が”ただもの”なわけがない(笑)。完全に余談ですが、毎年1月4日に秋葉原のヨドバシカメラ周辺にいくと、東京ドーム大会が終わった直後の新日本プロレスのレスラーの打ち上げによく遭遇します。見た瞬間に体格にビビりますよ^^; 同じ人間と思えないくらいデカイですから。

ですからですね、このベン・アフが普通に「内向的なオタク」みたいな扱いを受けている世界観自体がちょっとコントっぽいというか、もうそれだけであんま真面目に見るのもな~~~っていう感じなんです。「ゴーン・ガール(2014)」なんかでは分かりやすく「キレたら怖そう」っていう部分をちゃんと出してたじゃないですか。それが本作ではまったく無いんですね。あくまでも「普段おとなしいのに実はヤバイ人だったのだ!!!」っていうベースラインでくるため「イヤイヤそれは無いんじゃね。」っと軽く白けてしまいます。

【まとめ】

本作については、たぶん頑張って褒めるにしても「ベンアフ格好いい!」みたいな部分しか無理なんじゃないかと思います。じゃあアイドル映画として良い出来なのかと言われると、それはそれで見せ場が少なすぎるなというのがあり、結局とても中途ハンパです。どうせやるならジェイソン・ステイサムの映画みたいに開き直って完全アイドル映画にしちゃえばイイのにと思わずにはいられません。

話の設定や大筋は面白くなりそうな要素がテンコ盛りなだけに、ちょっと勿体無いなという作品でした。

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記事の評価
NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム

NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム

今日は

「NERVE(ナーヴ)」を見てきました。

評価:(60/100点) – 山田悠介meetsハリウッド


【あらすじ】

大学進学を控えた女子高生のヴィーは、ステイトン島で鬱屈した生活を送っていた。母子家庭で働き詰めの母を想い、なかなか思い通りにいかない生活。せっかく受かったカリフォルニア美術大学も「実家から通える」距離では無いため母に進学希望を言い出せない。

そんな中、ハイスクール・クイーンでチアリーダーのシドニーとひょんなことから揉めてしまう。彼女はシドニーへの当てつけで最近流行っているというオンラインゲーム「ナーヴ」に登録する。それは、視聴者たちの無茶振りミッションをクリアしていくと報酬がもらえるという、群衆視聴型ゲームだった、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> シドニーの挑発
※第1ターニングポイント -> ヴィーがナーヴを始める
第2幕 -> ヴィーのミッション・チャレンジ
※第2ターニングポイント -> ヴィーが警察にコンタクトする
第3幕 -> ナーヴの決勝戦


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【感想】

さて、今日はおしゃれな日比谷シャンテにたまに紛れこむドB級映画を見てきました(笑)。公開直後なんですが全然お客さんが入っておらず、ちょっと心配です。

主演はエマ・ロバーツ。すごいどっかで見たことあるなーと思ってたら、スクリーム4のジルでした!あんなチンチクリンだったのに、ずいぶんスレンダーになっちゃって、、、と思い、凄い自分の年齢を感じます(笑)。ジュリア・ロバーツの姪というか「エクスペンダブルズ」で敵役だったエリック・ロバーツの娘です。

そして相方はジェームズ・フランコの実弟のデイヴ・フランコです。笑った時のちょっと顎を引いて眉毛を「の」の字にする仕草がまんま兄貴で、そっくりさんかと思って見てました(笑)。

さらにさらに、監督はヘンリー・ジューストとアリエル・シュルマンのコンビで、これそのまんま「パラノーマル・アクティビティ3」「パラノーマル・アクティビティ4」の布陣です。つまり、POV/カメラ視点をやる気満々(笑)。映画の随所にカメラ越しやモニタ越しの視点がこれでもかと出てきます。

そう、本作ですね、見ている間中ずっーーっとなんか「ひっかかり」というかパチモノ臭さを感じるんですね(笑)。その1番の要因が雑なプロットとこの「そっくりさんっぽい」雰囲気だと思います。

山田悠介っぽさが全開

この映画は2012年発売の同名のティーン小説を原作としています。ですから山田悠介とはなんの関係もありません。なんですが、「冴えない女の子が携帯ゲームでクイーンになっていき、イケイケになって調子こきまくりの末、マジでやばい状況になって危ない目にあう」というプロットをどこかで見たことがありませんか?

そうです!かの有名な超大作ホラーSF「アバター(2011)」です!橋本愛が主演のスーパーメガヒット作で、日本中で(※主に渋谷界隈ですが)大アバター旋風を巻き起こしました!!!



なんか2つの映画が混ざってる気がしますが、私も歳なので気にしないでください^^;

そう、これですね、どう見ても山田リスペクトなんですよ。アバターでは橋本愛がどんどん厚化粧になっていってイケイケを表現していましたが、本作ではエマ・ロバーツがセクシーなドレスを着てイケイケになっていきます(笑)。B級映画好きの考えることって世界中どこでもだいたい一緒ですよね(笑)。ちゃんと己を取り戻すとダサいパーカーに戻ったりして、とても好感が持てます。ほんと良い意味で頭が悪い(笑)。

アバターの当時は「携帯電話(いわゆるガラケー)こそが日本の若者が内向きになった諸悪の根源だ!」みたいなノリで「携帯彼氏」とか「アバター」とかのテクノスリラー(※テクノロジーに乗っけた犯罪スリラー)が量産されてたんですが、その波がやっとハリウッドに到達しました。「ホステル」シリーズとか、「ロシアンルーレット(2010)」とか、あとは広い意味で「キャビン(2012)」とか、群衆視聴型スリラーって結構定番ネタです。でもそこに携帯ゲームを入れてきたところに「山田悠介魂」を感じました。

余談ですが、劇中のナーヴのコラージュ映像に「キャビン」と「ハンガーゲーム」の映像が入ってました。そういや「ハンガーゲーム」も視聴型ですね^^。良いリスペクトっぷりです。

本作に1番近い最近の外国映画というと、イライジャ・ウッドが主演をしていた「ブラック・ハッカー(2014)」ですね。インターネットによってプライバシーもクソも無い状態になり、そこに群衆心理が乗っかってとんでもないところまでエスカレートしちゃうという話です。

実際、メインの登場人物は片手に収まるほどで、特に特定の悪役は出てきません。あくまでも群集心理をスリラーにした話です。だからそもそもからしてウソ臭かったり、あんまりルールというか基準がよくわからなかったり、そもそもトップで視聴者8,000人って少なくないかとか、秘密ゲームのくせに決勝戦はかなり目立ってるなとか、そういう雑なところ全部ひっくるめて微笑ましく見られます(笑)。

【まとめ】

フル・プライスを払って見るのはちょっとアレですが、レイトショーや「TOHOシネマの日」を使って安く見られるなら一見の価値があります!個人的には挿入歌が最高のラインナップなのでサントラ買います(笑)。ということで、オススメでーす!!!ついでに是非「アバター」もね(笑)

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バイオハザード:ザ・ファイナル

バイオハザード:ザ・ファイナル

本日の2本目はこちら

「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。

評価:(30/100点) – 小じんまり、まとまりました。


【あらすじ】

前作までいろいろあって、アリスはワシントンに居た。ワシントンで彼女はレッドクイーンからのメッセージを受け取る。実はアンブレラ社は「エアボーン・アンチTウィルス」を隠し持っているというのだ!すべてのTウィルス感染体を死に至らしめる強力な薬を手に入れるため、アリスは始まりの地・ラクーンシティの「ハイブ」へと向かう。レッドクイーンの示した人類滅亡へのタイムリミットは48時間。果たしてアリスはアンチTウィルスを手に入れることができるのか?

【三幕構成】

第1幕 -> ワシントンでレッドクイーンと遭う
 ※第1ターニングポイント -> アリスがラクーンシティに着く。
第2幕 -> ゾンビ軍団との対決とハイブへの侵入
 ※第2ターニングポイント -> 最深部に着く
第3幕 -> アリスの正体とアイザックスとの決戦


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【感想】

さて、本日はスクリーン・ジェムズ作品が連続となりました。2本目はシリーズ6作目の「バイオハザード:ザ・ファイナル」です。なんだかんだで1作目が2002年ですから、もう14年もやってるんですね。1作目は井筒監督がテレ朝の「こちトラ自腹じゃ」でボロクソに叩いていたのをいまでも覚えています(笑)。1作目はたしかにダメダメではありましたが「走るゾンビ」を発明したエポックメイキングな作品でした。この作品で走り始めたゾンビは、ついに本家シリーズの「ドーン・オブ・ザ・デッド(2004/リメイク版)」でも取り入れられ、市民権を得ます。いまや何の違和感もなく、多くの作品でゾンビたちは元気に人間を走って追いかけています(笑)。

そう、そんな歴史的なシリーズの最後ですから、これはもうファンなら行くしか無いわけです!!!っと気合を入れてみてみますと、これね、ファンサービスしてくれてるのはわかるんですが、結構がっかりポイントがてんこ盛りです(笑)。

せっかく登場したドクター・アイザックスとウェスカーはとんでもなく小者になり、シリーズ全部の意義を吹っ飛ばすレベルです(笑)。しかも1作目を全否定するように「実はTウィルスはアンブレラ社の陰謀でわざと撒かれたのだ!」みたいな話まで飛び出します。いやいや、1作目でレッドクイーンが超慌ててハイブを閉鎖しようとしてたじゃん。っていうか、本作で出てくる陰謀が本当だとすると、そもそもハイブにTウィルスを撒く理由がないじゃん。もっと遠くで撒けよ、、、。とまぁいろいろとアレな事になっております(笑)。これですね、ある意味ヤケクソといいますか、さすがポール・駄目な方・アンダーソン監督(※注)。頑張っているのはわかるのにすごいヘンテコなことになっています。ファンサービスがファンサービスにあんまりなっていません(笑)。

※注 ポール・アンダーソン監督は世界に二人おります。本作の監督・ポール・ウィリアム・スコット・アンダーソン監督は駄目映画ばっかりとっており、一方のポール・トーマス・アンダーソン監督はカンヌ・ベルリン・ベネチアを総なめにしております。このため映画オタクの間では俗称として、ポール・駄目な方・アンダーソン、ポール・出来る方・アンダーソンと呼び分けられます(笑)。

そう、本作ではファンサービスしようという意図は伝わってくるんですね。最終作なので舞台は1作目に戻ります。そして「対ゾンビ戦」ではなくて1作目の醍醐味であった「対殺人トラップ」にフォーカスされる。ちゃんと1作目で出てきた有名なレーザートラップも再登場します。とても気を使ってくれているのがわかります。でもですね、その割にメイン級の悪役の扱いが本当に酷いです。なんかもうキャラ崩壊しているレベルで、あれだけ強かったウェスカーがまさかそんな社畜的な意味で負けるなんて、、、という、、、なんでSFアクションホラー映画を見て私たちはサラリーマンの悲哀を感じなければいけないのかと(笑)。

そんなこんなで、せっかくのシリーズ最終作にも関わらず、シリーズが好きであればあるほどがっかりするという残念な事態になってしまいました。もはや誰向けなのかすらよくわかりません、、、。シリーズ初見では意味がわからないと思いますし、シリーズファンだとあまりに雑な展開に悲しくなってきます。ということで、この映画は無かったことにしましょう(笑)。

もとはといえば、4作目で完結するはずだったものを無理やり続けさせたスクリーン・ジェムが悪いんですから、ポールは悪くない!たぶん、、、きっと、、、いや、6割ぐらいはポールのせいかも(笑)。個人的には動いているアリ・ラーターを久しぶりに見れたのでそれだけでも良しとします!ということで、オススメ、、、しと、、、きま、、、、しょう、、、、、か?しときましょう!ポールも言ってるじゃないですか!

「ジャン・リュック・ゴダールも言っているように、女性と銃だけで映画は成り立つ。このコンセプトはクールでセクシーだよね」
出典:日刊ゲンダイweb 監督インタビューより
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/196257

やっぱダメだこの人(笑)。

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ドント・ブリーズ

ドント・ブリーズ

今日は2本です。1本目は

「ドント・ブリーズ」を見てきました。

評価:(70/100点) – 一発ネタの嵐でサービス満点


【あらすじ】

デトロイトの田舎町。ロッキー、マニー、アレックスの3人は、いつかこのつまらない田舎を抜け出してカリフォルニアへ行くために、強盗をしてお金を貯めていた。
ある時、マニーはギャングから街に30万ドルもの大金をもった爺さんが住んでいるという話を聞く。しかも家はゴーストタウン。周りには全く人が住んでいない。楽勝だと判断した3人は、意気揚々と強盗へ乗り込む。しかし、爺さんは凄腕の退役軍人だった、、、

【三幕構成】

第1幕 -> 爺さんの噂話
※第1ターニングポイント -> マニーが殺される
第2幕 -> 家から脱出せよ!
※第2ターニングポイント -> ロッキーが脱出する
第3幕 -> 最終決戦


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【感想】

さて、今日は今一番の話題作と言っても良い「ドント・ブリーズ」を見てきました。有楽町のみゆき座に行ってきましたが、完全なフルハウス。実は先週も見ようとして満員で諦めました。公開感が少ないからかものすごい混み方です。

この作品はアメリカの夏休み映画で、かなりわ話題になっていました。制作費10億円で興収は150億円オーバーですから大したもんです。監督はフェデ・アルバレス。残念な出来だったリメイク版「死霊のはらわた(2013)」で大抜擢された監督です。本作も引き続きサム・ライミがプロデューサーを務め、ジャンルものである「小屋に閉じ込められちゃったホラー」をやっています。

さて、ここでお約束です。本作は完全なるジャンルムービーであり、そして感心するほどのジェットコースターシチュエーションムービーです。ですから、ネタバレは作品価値を著しく損なう恐れがあります。私はこの後極力ネタバレ無しで書いていきますが、どうしても少々勘づいてしまうかもしれません。未見の方はお気をつけください。

これはシリアス版ホームアローンだ!

強盗が家主にひどい目にあわされて撃退されるというと、やはり筆頭は「ホームアローン」でしょう。今回は強盗側が主役ではありますが、やっていることは同じです。舐めてかかった盲目の爺さんは、実は近接戦闘最強の屈強のファイターです。とてもじゃないけど近づいたら勝ち目はありません。そしてそんな爺さんが拳銃まで持っています。こんな絶体絶命の状況の中で、ヘタレだけど献身的なアレックスは、惚れた女・ロッキーを守りつつ脱出の糸口を探していきます。

そう、これですね、主人公側は間違いなく強盗犯でありクズの集まりです。どう考えても盲目の爺さんは被害者なので、序盤は「爺さんやっちまえ!」と応援したくもなるのですが、これがとある展開で急に爺さんもアレだというのが発覚しまして、そこから先はもう感情移入もへったくれもない「アレな若者vsアレな爺さん」のグズだらけの異種格闘技戦が展開されます(笑)。

ですから、なんというか全体的にはあんまり応援とかどっちの立場でとかそういう映画じゃないんですね。完全にシチュエーションホラーであり、「なんとなく不穏な事」「すごい嫌な描写」を叩き込みまくってくる映画です。後味最悪。そしてどういう顔をして見ていいかわからない。でもなんか楽しい、という(笑)。これ、いうてみればバトルものだと思うんです。「貞子vs伽倻子」とか、「エイリアンvsプレデター」とか、なんかこう「悪役同士のバトルで両方アレだけど楽しい」というプロレスです。

そういった意味では、本作はとてもサービス精神が旺盛です。ほぼ全ての細かい描写がきっちり伏線になってます。例えば序盤で出てくるバールなんかはしょっちゅうほっぽられながらもちゃんと全編通して万能アイテムとして再登場し、その都度工夫をもって使われます。こういう小技は見事です。制作側がすごく気を使ってプロットを練っているのが伝わってきます。そして、カギやバールや拳銃や犬や、全ての「アイテム」「仕掛け」が絡みあってきます。だからこれ、すごくアクションアドベンチャーゲームっぽいんですね。こっちでこのアイテムを手に入れて、それをあっちで使うとこうなって、でも同じアイテムを後から別の用途に使う、みたいな。すごく練り込んだプロットが災いして、「シナリオちっく」でありちょっと事務的なところがやけに目につきます。多分監督がジャンル映画を撮るには真面目すぎるんだと思います(笑)。

【まとめ】

面白いかどうかで言えば間違いなく面白いですし、もう1回見たいかといえばもう1回と言わず2回はみたいです。でもあんまり「諸手を挙げて大ガッツポーズ!」って感じではないです。単に後味が悪いからなのか、それともメリハリがないからなのか。80分少々のタイトな映画ですが、畳み掛けてくる情報量は多く、結構疲れます(笑)。

クリスマスのデートムービーとしてはちょっとどうかと思いますが、見ておいて損はない良作です。

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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

今日は

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」を見てきました。

評価:(95/100点) – 最高のファンムービー爆誕!!!


【あらすじ】

帝国軍の技術者ゲイレン・アーソは、大量破壊兵器の研究者だったが、嫌気がさして家族ともども軍を脱走して田舎の星に身をやつしていた。しかしそんなアーソ一家の元に、兵器計画の遅れを懸念するオルソン長官の魔の手が忍び寄る。妻を殺されたゲイレンは、1人娘のジンを逃し、自ら帝国軍に連行される。

それから十数年、、、反乱軍の元に「ゲイレン・アーソが破壊兵器の情報をリークするべくカーゴパイロットを脱走させた」という情報が届く。しかし肝心のパイロットは独立ゲリラのソウ・ゲレラ一派に拿捕されてしまう。反乱軍はこの情報を奪うべく、友好の使者としてゲレラの元に1人の少女を送り込むことにする。その女性こそ、ゲイレンの1人娘ジンであった、、、。

【三幕構成】

アバンタイトル -> ゲイレン一家が襲撃に遭う
第1幕 -> キャシアンとジン
※第1ターニングポイント -> ジンが使者として惑星ジェダへ向かう
第2幕 -> ジェダの崩壊とゲイレンとの邂逅
※第2ターニングポイント -> ゲイレンより設計図の在り処を聞く
第3幕 -> 潜入!惑星スカリフの決戦


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【感想】

2ヶ月ご無沙汰しております。きゅうべいです。今年は本当に面白い映画が節目節目で公開されて、ブログをサボっている暇もありゃしません(笑)。ということで、本日は当然これ。スター・ウォーズ・シリーズの最新作「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」です。監督は「ゴジラ(2014)」で一躍時代の人となったギャレス・エドワーズ。「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」の前日譚として、特殊部隊ローグ・ワンが帝国軍の最終兵器「デス・スター」を破壊するために設計図を入手するまでを描きます、、、、と公開前情報では言われていました(笑)。

ところがですね、これ実際見てみるとそんなチンケな話じゃ無いわけですよ。確かに大筋はローグ・ワンがデス・スターの設計図を盗むまでの話です。スター・ウォーズのファンならば、予告を見ただけで「これはローグ・ワンが頑張ってデス・スターの設計図を盗んでレイア姫に渡すまでのミッションインポッシブルみたいなケイパーものなんだろうな」「ディズニーのことだから、どうせ金儲け狙いで安直に外伝作っただけなんだろうな」と思うわけですよ。それが蓋を開けたらあらびっくり。ローグ・ワンとか全然特殊部隊じゃ無いし、こりゃもう完全にスター・ウォーズ愛に溢れた最高の「ファン・ムービー」なんです。

スター・ウォーズのファン・ムービーといえば、金字塔は「ファンボーイズ(2008)」と「ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス(2010)」です。両方とも「ファンとしてスター・ウォーズを愛するがゆえに、商業主義丸出しのルーカスを信じながらも毎回裏切られ続け、それでもやっぱり嫌いになれない」というアンビバレンツな愚かさを笑いに変えています。僕ももちろんそうですし、例えば日本でも富野由悠季監督や押井守監督が好きなアニメファンは頷きまくりだと思うんですね(笑)。しかし、今回の「ローグ・ワン」はそれとは違うアプローチのファンムービーです。

すなわち、スター・ウォーズのオタクたちが日夜一生懸命勝手に撮影していたような「ファンカット・ムービー」の延長としてのスター・ウォーズ外伝です。「ゴジラ(2014)」とやってることが全く同じアプローチでして、本当にギャレス・エドワーズは最高だなと心の底からニンマリしていました(笑)。この人は絶対にエドガー・ライトとかタランティーノとかマシュー・ヴォーンと同類です(笑)。

スター・ウォーズ・サーガ。それは調和の物語。

スター・ウォーズの話を始めたら10,000文字あっても足りないのでどんどん先に進みましょう(笑)。みなさん、当然スター・ウォーズの実写映画は全部見てますよね?EP1〜EP6を見ているのが大前提で、出来ればイウォーク・アドベンチャー1・2と3DCGアニメのクローンウォーズシリーズも押さえておくといいでしょう。余力があったらEP7もついでで(笑)。

スター・ウォーズ・サーガは、ルーカス曰く「フォースが調和を失ってから、それを取り戻すまでのストーリー」です。

EP1〜EP3で、歴代最高の才能をもったジェダイナイト・アナキン・スカイウォーカーは、成長し、恋をし、そして絶望し、暗黒面に堕ち、ダース・ベイダーとなります。ダークサイド・オブ・フォースの化身・暗黒皇帝ダース・シディアスは、アナキンを誘惑し、堕落させ、独裁帝国を作り上げ、恐怖で宇宙全土を支配します。

EP4〜EP6では、主役はアナキンの息子ルーク・スカイウォーカーへと移ります。ルークは素性を隠し田舎惑星で百姓の息子として育ちます。そんなルークですが、後見人にしてアナキンの友オビワン・ケノービーや仲間のハン・ソロ、レイア・オーガナと共に帝国反乱軍のエースへと成長して行き、やがて父アナキンに善の心を思い出させます。善の心を取り戻したアナキンは、皇帝を殺し、宇宙に平和と共和制を取り戻します。

そう、EP1〜6までのストーリーは、まさに天才アナキン・スカイウォーカーがグレてから目を覚ますまでの壮大な物語なんです。しかし、このストーリーは必ずしも「ジェダイナイト」という超能力をもった貴族様の話ではありません。EP4〜6では、一貫して帝国軍に対抗するのは一般庶民であり有志の反乱軍です。そして最終的に帝国軍に壊滅的な打撃を与えるのは、田舎惑星に住む未開のもふもふローカル宇宙人のイウォークなんです。冗談でも比喩でもなく、まさに元ネタとなった「隠し砦の三悪人」や「七人の侍」と同じく、ジェダイという侍を先頭にした百姓たちの一揆の物語です。

ローグ・ワン:全てはバトンを繋ぐために

そして本作です。本作には特殊能力をもった人間は全く出てきません。主人公自身を含めて、彼女の周りにいるのは全て「強い意志」をもった普通の人間です。相方のキャシアンだけはずっと命令で動いていましたが、3幕目へと向かう最後の最後で自らの意志でローグ・ワンに参加します。ドニー兄貴扮する盲目の僧兵チアルートも「もしかしてフォースが使えるのかな?」みたいなミスリードがあるものの、実際はフォースを信じる強い意志を持っただけのただの人です。こういった普通の人間たちが、本作のテーマである「人は希望を繋ぐために戦う」というそのままに、命をかけてバトンを繋いでいきます。そしてその果てに「エピソード4 新たなる希望」があるわけで、これはシリーズの外伝として完璧な構成です。本作を通してゲイレンからジンへと渡された希望のバトンは、多くの犠牲をともなってその重みを増し、そしてエピソード4冒頭のレイア、R2-D2、オビワン、ルークへと繋がれていきます。そう、エピソード4も、実はこの「デス・スターの設計図」を反乱軍司令部まで届ける話なんですね。本作は単体での「特攻チームもの」としての面白さもさることながら、この「歴史的名作へシームレスにつながる」という点において、おそらく全世界のスター・ウォーズ・ファンを納得させるでしょう。わかってる!ギャレスはわかってるよ!!!最高!!!!

名作の言い訳としてのファンムービー

さらに本作が良いのは、そもそも「デス・スターがあんなに脆いのはわざとだったのだ!!!」という言い訳を無理なくはめ込んできた点です(笑)。わりと昔から、スター・ウォーズ好きで飲み会をすると定番になるネタは「ヨーダが一番悪い」というのと「デス・スターはヘボすぎる」というもの、あとは「イウォーク宇宙最強説」です。

この中でヨーダ戦犯説についてはもう擁護のしようがありません。アナキンがグレた理由はヨーダの頭が固い嫌がらせですし、弟子デューク伯爵と対決しても勝てず、挙げ句の果てにはラスボスの暗黒皇帝を追い詰めたのに油断した隙に逃したりしてます(笑)。

イウォーク宇宙最強説も、ある意味テーマに合致しています。スターウォーズは百姓一揆の話ですから、百姓の化身であるイウォークが弓矢とロープで帝国軍の最新巨大兵器を倒していくのも仕方ありません。

そうすると残るは「デス・スター弱点さらし過ぎ」という話になるわけです。本作はそこに後付けながら「実は反帝国軍の技術者が弱点を仕込んでいたのだ!」とし、さらにスター・ウォーズの根幹である「親子愛」をそこに絡めてきました。これはね、、、、あざといけど上手い(笑)。だってこれ誰も傷付かない完璧な言い訳ですもん。じゃあもう仕方ないよね、、、っていう説得力があります。めちゃくちゃ愛に溢れています。

【まとめ】

ということで、本作は最高のファンムービーです。期待以上というよりは、スター・ウォーズ・ファンが夢見ていた外伝に対する満額回答といった感じです。マジ完璧。これができるのなら是非ナンバリングタイトルもこのクオリティでひとつ、、、という期待を込めつつ、本気で猛プッシュお勧めします!!!!

私はしばらくレイトショーで通い詰めます(笑)。このクオリティなら本気で二桁回数見れます。まぁEP7もなんだかんだで二週間毎日見たのでアテになりませんが(笑)

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