ドント・ブリーズ

ドント・ブリーズ

今日は2本です。1本目は

「ドント・ブリーズ」を見てきました。

評価:(70/100点) – 一発ネタの嵐でサービス満点


【あらすじ】

デトロイトの田舎町。ロッキー、マニー、アレックスの3人は、いつかこのつまらない田舎を抜け出してカリフォルニアへ行くために、強盗をしてお金を貯めていた。
ある時、マニーはギャングから街に30万ドルもの大金をもった爺さんが住んでいるという話を聞く。しかも家はゴーストタウン。周りには全く人が住んでいない。楽勝だと判断した3人は、意気揚々と強盗へ乗り込む。しかし、爺さんは凄腕の退役軍人だった、、、

【三幕構成】

第1幕 -> 爺さんの噂話
※第1ターニングポイント -> マニーが殺される
第2幕 -> 家から脱出せよ!
※第2ターニングポイント -> ロッキーが脱出する
第3幕 -> 最終決戦


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【感想】

さて、今日は今一番の話題作と言っても良い「ドント・ブリーズ」を見てきました。有楽町のみゆき座に行ってきましたが、完全なフルハウス。実は先週も見ようとして満員で諦めました。公開感が少ないからかものすごい混み方です。

この作品はアメリカの夏休み映画で、かなりわ話題になっていました。制作費10億円で興収は150億円オーバーですから大したもんです。監督はフェデ・アルバレス。残念な出来だったリメイク版「死霊のはらわた(2013)」で大抜擢された監督です。本作も引き続きサム・ライミがプロデューサーを務め、ジャンルものである「小屋に閉じ込められちゃったホラー」をやっています。

さて、ここでお約束です。本作は完全なるジャンルムービーであり、そして感心するほどのジェットコースターシチュエーションムービーです。ですから、ネタバレは作品価値を著しく損なう恐れがあります。私はこの後極力ネタバレ無しで書いていきますが、どうしても少々勘づいてしまうかもしれません。未見の方はお気をつけください。

これはシリアス版ホームアローンだ!

強盗が家主にひどい目にあわされて撃退されるというと、やはり筆頭は「ホームアローン」でしょう。今回は強盗側が主役ではありますが、やっていることは同じです。舐めてかかった盲目の爺さんは、実は近接戦闘最強の屈強のファイターです。とてもじゃないけど近づいたら勝ち目はありません。そしてそんな爺さんが拳銃まで持っています。こんな絶体絶命の状況の中で、ヘタレだけど献身的なアレックスは、惚れた女・ロッキーを守りつつ脱出の糸口を探していきます。

そう、これですね、主人公側は間違いなく強盗犯でありクズの集まりです。どう考えても盲目の爺さんは被害者なので、序盤は「爺さんやっちまえ!」と応援したくもなるのですが、これがとある展開で急に爺さんもアレだというのが発覚しまして、そこから先はもう感情移入もへったくれもない「アレな若者vsアレな爺さん」のグズだらけの異種格闘技戦が展開されます(笑)。

ですから、なんというか全体的にはあんまり応援とかどっちの立場でとかそういう映画じゃないんですね。完全にシチュエーションホラーであり、「なんとなく不穏な事」「すごい嫌な描写」を叩き込みまくってくる映画です。後味最悪。そしてどういう顔をして見ていいかわからない。でもなんか楽しい、という(笑)。これ、いうてみればバトルものだと思うんです。「貞子vs伽倻子」とか、「エイリアンvsプレデター」とか、なんかこう「悪役同士のバトルで両方アレだけど楽しい」というプロレスです。

そういった意味では、本作はとてもサービス精神が旺盛です。ほぼ全ての細かい描写がきっちり伏線になってます。例えば序盤で出てくるバールなんかはしょっちゅうほっぽられながらもちゃんと全編通して万能アイテムとして再登場し、その都度工夫をもって使われます。こういう小技は見事です。制作側がすごく気を使ってプロットを練っているのが伝わってきます。そして、カギやバールや拳銃や犬や、全ての「アイテム」「仕掛け」が絡みあってきます。だからこれ、すごくアクションアドベンチャーゲームっぽいんですね。こっちでこのアイテムを手に入れて、それをあっちで使うとこうなって、でも同じアイテムを後から別の用途に使う、みたいな。すごく練り込んだプロットが災いして、「シナリオちっく」でありちょっと事務的なところがやけに目につきます。多分監督がジャンル映画を撮るには真面目すぎるんだと思います(笑)。

【まとめ】

面白いかどうかで言えば間違いなく面白いですし、もう1回見たいかといえばもう1回と言わず2回はみたいです。でもあんまり「諸手を挙げて大ガッツポーズ!」って感じではないです。単に後味が悪いからなのか、それともメリハリがないからなのか。80分少々のタイトな映画ですが、畳み掛けてくる情報量は多く、結構疲れます(笑)。

クリスマスのデートムービーとしてはちょっとどうかと思いますが、見ておいて損はない良作です。

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記事の評価