キング・オブ・エジプト

キング・オブ・エジプト

​今日は

「キング・オブ・エジプト」です。

評価:(60/100点) – 楽しいアイドル珍道中映画!


【あらすじ】

古代エジプト。太陽神ラーは2人の息子にエジプトを託す。オシリスには街を。セトには砂漠を。
それから数千年、オシリス王の治世が終わり、その息子ホルスへの禅譲が行われることとなった。ホルスの戴冠式に多くの神々が訪れる中、叔父のセトは戴冠式のまさにその場で実の兄オシリス王を殺し、ホルスの両目を奪い、王位を簒奪する。愛の神ハトホルの嘆願で一命を取り留めたホルスは、復讐を狙う、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> ホルスの戴冠式とセトの反乱
※第1ターニングポイント -> ベックがホルスの右目を取り返す
第2幕 -> セト神殿への珍道中
※第2ターニングポイント -> セトがアポピスを召喚する
第3幕 -> オベリスクの決戦


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【感想】

本日は「キング・オブ・エジプト」の字幕版を見てきました。吹き替えが凄いことになってるらしいという噂は聞いてますが、どうにも字幕派でございまして^^; 監督はエジプト生まれのアレックス・プロヤス。ブルース・リーの長男ブランドンの代表作「クロウ/飛翔伝説(1994)」で有名ですが、個人的には「ダークシティ(1998)」とか「ノウイング(2009)」とかの「オカルトちっくなトンデモ映画監督」って印象の方が強いです(笑)。ちなみに漫画「クロウ」の映像化はTBSで深夜にやってたドラマ版の「クロウ 天国への階段(1998)」のが好きだったりもします。
有楽町のスカラ座ではあんまりお客さんが入っていませんでした。650人の箱で多分40-50人くらいです。公開直後にしてはちょっと寂しかったです。

さて、本作はアメリカでぶっ叩かれまくっておりまして、イギリスでもビデオスルーの憂き目に遭っています。ですが、私はこれから(ちょっと無理やりに)全面擁護します!中身にがっつり触れていきますので、未見の方はご注意ください。欠点もいっぱいある映画ですが、すごいニヤニヤしながら観れる愉快な作品です。ぜひ劇場で!

まずは大枠から

本作に一番近いのは、昨日の「セルフレス 覚醒した記憶(2016)」のターセム・シン監督の「インモータルズ-神々の戦い-(2011)」です。っていうか世界設定はほぼ同じです。世界には太陽神ラーをはじめとして多くの神様がいまして、彼らは人間の姿(と言ってもデカい!身長3mぐらい)と獣の姿を自由に変身できます。そのエジプトの神々が統治する世界で、反乱が起きます。正当な王位継承者ながら人間を軽んじているホルスは、簒奪者セトへの復讐を図る過程で協力者の人間コソ泥・ベックと珍道中を繰り広げ、徐々に王としての責任に目覚めていきます。

本作には2つの大きな話があります。1つはホルスの復讐譚。もう1つはベックが亡き恋人ザヤを生き返らせようとする話です。この2つが良い感じに混ざり、怒涛のオカルトクライマックスへなだれ込んで行きます。

すごいヘンテコなストーリー

上の概要だけ見ると超王道ストーリーに見えるかもしれませんが、本作は実際にはすごい変なことになっています。というのも、話の要素/目的がコロコロ変わるからなんですね。

例えば復讐について。本作の劇場予告では「奪われたホルスの目を盗んで世界を救え!」みたいなフレーズが流れるのですが、実際は本作ではホルスの目は探しません(笑)。
ホルスの目は、片目分だけ2幕目冒頭でサクっと盗みまして、もう片目については「どこにあるかわからんから保留!」となります(笑)。2幕目のメインストーリーは、「ラーの”創造の水”をセト神殿の心臓に垂らすことで、セトを弱体化する」ことです。そしてそのセト神殿へ向かう途中で追っ手に襲われたり、スフィンクスが邪魔してきたりするわけです。そんでもって2幕目が終わり全部のちゃぶ台がひっくり返ると、嫌が応にも世界を救うためにセトへ特攻をかけざるをえない緊急事態が起きます。

すると今度は「実はホルスは王の自覚が芽生えると覚醒ホルスに進化して超強くなる」という話に変わるんです。2幕目はなんだったんだっていう話なんですが、気にしてはいけません^^;

このように話がコロコロ変わるので、せっかく出てきたフルアーマー・セトちゃんが、序盤でボコった片目ホルスにあっさり負けたように見えちゃいます。超弱く見えちゃうんですね(笑)。確かにストーリー上は片目がなくても王の自覚で覚醒したホルスはセトより遥かに強いことになってます。筋は通ってるんですが、プロットの問題で分かりづらくなってしまっており、もったいないかぎりです。

そんなこんなでメインストーリーは徘徊老人並みに彷徨っているわけですが、じゃあサイドストーリーのザヤの件はどうかというと、こっちはこっちで無茶苦茶です(笑)

あの世の9つの門をくぐり切ると2度と生き返らないというのをベース設定に、ホルスは「王になれたら生き返らせてやる」とベックに約束します。いろいろあって、ハトホルが死者避けの腕輪というあの世とこの世を行き来できる便利な腕輪をくれることになるんですが、なぜかハトホルはこの世のベックに置いて自分は犠牲になってあの世に行っちゃうんですね。いやいや。犠牲になるならあの世に行ってからザヤに腕輪を渡してくれよってことなんですが、この世に置いて行ってしまったばかりに、ハトホルは無駄死にで終わります。もう、ハトホルったらお茶目なんだから(笑)。そう、本作はですね、登場人物が全員お茶目すぎます。

太陽神ラー、怠慢説

トトだって冷静になればスフィンクスの謎なんてすぐ解けるのに、なぜか超テンパって2度も間違えます。

ベックだってとりあえず創造の水をたらしゃ良いだけなのに、なにを思ったか垂らし損ねます。いやいや、ホルスが嘘つきだろうがなんだろうが、セトが悪なのは確実なんだから垂らせよっていう、、、ね。

さらにはセトちゃんです。セトちゃんは神々の心臓やら脳みそやらを奪って超合神(※いい日本語訳だw)になるんですが、その目的があるならさっさとお目当の神々を襲っとけやって話です。でもセトちゃんはなぜか数ヶ月or数年は泳がしています。なんでしょうね。小悪党特有の余裕ぶっかましでしょうか(笑)。

そして極め付きは太陽神ラーです。本作のラーおじいちゃんは結構マッドサイエンティストなんですが、最後に実はスーパーパワーが使えるのが明らかになります。本人は「借りを返すぞ」とか言ってるんですが、それができるんなら先にオシリスにやれやっていう話です。そうすりゃ映画が15分で終わるのに(笑)。しかも持ってる槍が実はアポピス(キバいっぱいの大蛇)を操れるみたいな設定まで出てきて、いやいや毎晩戦ってたのはなんやねんというおかしなことになってます。ボケ防止のエクササイズだったんでしょうか?

お茶目勢ぞろい=ツッコミ不在のボケ大会

とまぁそんなこんなで登場人物が全員お茶目さん揃いな訳ですが、これがですね、だんだん面白くなってきます(笑)。さながらツッコミ不在のボケ倒し祭りです。劇中にツッコミがいない以上は観客の我々が突っ込まないといけないわけで、だんだんツッコミが忙しくなりすぎて変なテンションになってくるんですね。そうすると、だんだん登場人物たちがキュートに見えてきます。もうね、最後なんて最高ですよ。セトちゃんったらせっかくトトの知識を得たのにそれでもなおボケてますから。元がどんだけ脳筋なんだ(笑)。

ということで、映画が終わると観客のこちらにも、謎の達成感が湧き上がってきてとっても楽しくなります。

【まとめ】

そんなこんなで個人的にはとっても楽しめた映画でした。ちょっとびっくりしたのは、アメリカでの不評の中に結構「デザインがダサい」「CGがしょぼい」ってのがあるんですね。確かに神様のデザインは「牙狼」っぽいというか特撮ヒーローちっくですし、CGの動きはかなりカクカクしてます。でも、このぐらいだと正直言って邦画より遥かによくできてるんですよね^^;やっぱハリウッドのレベルは高いなというべきか、我々が邦画のCGに慣れ過ぎてるのか(笑)、ちょっとカルチャーギャップを感じました。

結構正統派のファンタジーアクション映画ですので、是非劇場へ駆けつけてください!おすすめします。

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