パンドラム

パンドラム

今月の映画の日は

「パンドラム」を見てきました。

評価:(45/100点) – 変形の「ディセント」


【あらすじ】

西暦2174年。食糧問題と環境汚染が深刻化した人類は、外宇宙に遂に地球と瓜二つの惑星を発見する。タニスと名付けられた惑星に向かうための大規模な移民船・エリジウムが編成され、約6万人を冷凍睡眠にて運搬、わずか数名のフライトクルーが二年毎に交代勤務をすることになっていた。
ところがフライトチーム5のバウナー伍長が冷凍睡眠から目覚めると、融合炉は過放電を繰り返しており船内扉も開かない状態であった。彼は直後に目覚めたペイトン中尉と共に、船内の探索を行う、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> バウアーの目覚めと船内捜索。
 ※第1ターニングポイント -> バウアーが謎の生物に襲われる。
第2幕 -> 融合炉へと向かう冒険
 ※第2ターニングポイント -> リーランドとの出会い。
第3幕 -> 融合路の再起動と結末。


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【感想】

今日は一本、新作のSFホラー映画「パンドラム」を見てきました。1,000円ですから、ドマイナーなSFホラーにしてはかなりお客さんが入っていました。
アメリカ版のポスターでは思いっきり怪物が使われているんですが、日本版では何故かペイトン・バウアー・ナディアの3人がメインヴィジュアルになっておりホラー色が完全に抜かれています。ホラーは売れないという例の宣伝方針かもしれませんが、それをいったらコスプレSFも似たようなジャンルムービーなのにな、、、、とか思ったりして微妙な気分になりますw
端的に本作を表現しますと、これは宇宙船内で繰り広げられる「ディセント」です。ディセントに出てくる地底人やロードオブザリングに出てくるオークっぽい雰囲気の怪物がうじゃうじゃとバウアー達を襲ってきます。ただ本作の場合、人間と怪物の戦闘能力にはだいぶ開きがありまして、基本的には逃げ惑うしか対処法がありません。怪物達に追われながら、バウアー・ナディア・マンの3人が融合炉へと向かっていきます。
ハッキリ言いまして、ストーリー上の融合炉云々という根拠は限りなく薄いです。融合炉を再起動してブリッジに行けば全てOKというバウアーの理屈は最後まで良く分かりませんし、融合炉を再起動した後は話が明後日の方向にすっ飛んでいきます。「ザ・ホード」の時にもチョロっと書きましたが、第2ターニングポイントで昔から生き延びている「癖のある識者」に出会うというのはジャンルムービーのお約束です。最近では「プレデターズ」もこのフォーマットでローレンス・フィッシュバーンが登場しますし、「ゾンビランド」もビル・マーレイが出てきます。そして最後はきちんと特定の舞台からの脱出でおわります。こういったツボはきちんと押さえてきていますので、それほど駄目駄目という感じではありません。
しかし、怪物が襲ってくる頻度が少ないため緊張感が続かないことと、なによりアクション要素が少ないために生じる中だるみ感はかなりの物があります。そしてペイトンの行動原理・理屈が最後まで良く分かりません。一応説明があるにはあるんですが、あんまり関係ないというか直接的に「だからどう」っていう因果関係がないため、ちんぷんかんぷんです。その混乱も含めて強引に「パンドラム」という設定を使ってくるわけですが、さすがに説明になっていないので微妙な感じです。
また肝心の怪物についても「こうして生まれた」みたいな設定があるにはあるんですが、あんまり乗り切れないというか、そもそもギャロは何を食べて生きてたんだとかありまして、いまいち乗り切れません。
こういったモンスターホラーは嫌いではないのですが、あくまでもジャンルムービーとしての最低限のお約束だけ入れたという程度のものですので、そこまで褒めようもないかなぁというぐらいの印象です。SFだと思って見に行くと相当がっかりしますが、B級モンスターホラーを見に行くんだと思えばそれなりに楽しめると思います。オススメといえばオススメできなくもないですが、でも同じお約束重視なら「バイオハザード4」の方が良いと思います。
モンスターホラーが好きな方限定でオススメいたします。

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記事の評価

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パンドラム」への4件のフィードバック

  1. 個人的には良作でした。
    世界観エイリアン、造形ディセント、最後の方の1対1の戦闘での若干のプレデター臭といろんな映画に影響を受けている感じではありましたがw
    ディセントに酷似しているのはやっぱり思いますよね
    この手の映画によくある不快になるパニック描写や登場人物同士の喧嘩もあまり無く、傑作ではないですが楽しめました。

  2. 初めまして、桂枝芽路と申します。
    18の映画ファンで、35行ノートに観た映画の題名をボールペンで記録(だから間違えないように毎回緊張します)していますが、ついこの間、700本を越えました。
    とりあえずの目標である1000本までまだありますね・・・
    それはさておき、本作はTSUTAYAでレンタルして昨日観ました。
    ちょうど704本目に当たります。
    ちなみに700本目は、深海ホラーの「リバイアサン」です。
    >「ディセント」
    まさに自分も観ていてそう思いました。怖さは比較してはいけませんけど(汗)
    なんとなくゲームの映像を観ているような感じだなあ、と思っていたのですが、エンドクレジットでプロデュースの1人に、「バイオハザード」を手掛けたポール・W・Sアンダーソンの名前があったので納得(え)。
    しかしあの怪人軍団強いですよねえ。
    こちらは実弾を撃つ銃がないので結構不利。銃があっても、あの身のこなしでは役に立たなさそう。
    ケイシー・ライバックとかジョン・ランボーとかララ・クロフトがいれば問題ないでしょうけど(待て)。
    >緊張感が続かない
    自分もそうでしたねえ。何故か緊張感が出ない。しまいには無理やり自分で緊張しました(え)。
    でもそれなりに面白かったことは確かですね。最後もバッドじゃなくハッピーエンドだったし、ヒロインは美人(ドイツ出身の女優で、ドイツ語も英語も話せ、本作が初の英語による出演だったらしいです)で、個人的にはタイプです。
    この映画は、あんまりくよくよ考えずに、ざっくばらんに楽しむ分には良いと思います。
    それでも考えてしまいそうになる映画ですけど・・・かく言う自分だって少し考えてしまいました。

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