恋する幼虫 / 中身刑事

恋する幼虫 / 中身刑事

昨日の2本目+短編1本は、
『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』公開記念特集上映 「MUTANT MOVIES -SQUAD-」

「恋する幼虫」「中身刑事」二本立てです。

評価:(85/100点) – だって面白いんだも~~ん。井口ワールド全開!


【あらすじ】

●「恋する幼虫」
アスペルガーの気がある漫画家のフミオは、担当編集者のユキのふとした行動にキレて、Gペンで彼女の頬を刺してしまう。やがて出版社から連載打ち切りを告げられ仕事を無くしたフミオは、音信不通になったユキのアパートを訪ねる。するとそこには変わり果てて自暴自棄になるユキの姿があった。彼女の頬のアザは無残に膨れあがり、そこから食指が出て血を吸うようになってしまったのだ。吸血鬼となったユキは腹いせにフミオを扱き使うが、やがて二人の間には不思議な信頼が芽生え始める、、、。
●「中身刑事」
謎の感染症でゾンビが流行する世界。科学者のコージはゾンビ病を直す研究を進めていたがいっこうに成果が上がらない。ある日、恋人で婦警のサチエがゾンビに噛まれて感染してしまう。しかし、偶然にもサチエの同僚でストーカー気質の変態・ムラカミのゲロがサチエに掛かると、なんと病気が治ってしまった!ムラカミのゲロにはゾンビ病を治す不思議な効果があったのだ!次第にムラカミを頼りだすサチエと、それを快く思わないコージ。そして調子に乗り始めるド変態のムラカミ。こうして妙な三角関係が発生した、、、。


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【感想】

え~、今回は当ブログで初めてとなる非新作映画です。といっても名画座みたいなおしゃれな感じでは無く、完全に悪趣味(笑)。そう、5月末に公開される井口昇最新作「戦闘少女 血の鉄仮面伝説」にちなんだお祭り企画です。

恋する幼虫

「恋する幼虫」については今や局所的にメジャーな作品で、井口昇監督の出世作と言ってもいいでしょう。ちょっとアスペルガーっぽいフミオの描き方が秀逸ですし、ユキが徐々に心を開いていく姿も完璧です。
なにせ、このフミオのキャラクターというのが、出てきてものの数分で誰の目からも明らかなほど的確かつ簡潔に描写されます。突然気が狂ったように喚き・暴れたり、かと思うと次の瞬間には急にオドオドしたり、最低なクズだけれどもどこか憎みきれないような絶妙な位置です。この糞野郎が徐々にユキに惚れていくのにそれでもここ一番で根性が出ないというもどかしさ。そして溜めに溜めたところからのラストの開放感。もちろん画面で起きていることはかなり酷く惨いんですが、それでも本当に奇跡的なハッピーエンドなんです。
でまぁ一応指摘しておけば、本作の「吸血」というのは直接的にSEXのメタファーになっているわけです。だからこそ、フミオはユキが元恋人や自分の知人を吸血するのを見て嫉妬しますし、ユキは同じ女性のササキさんの血は吸わないんです。
これはかなり重要な井口昇監督の特徴ですが、エログロをメタファーとして使用するため、そこを元の意味に置き換えるととてもオーソドックスな話になるんです。本作で言えば、頬をGペンで刺すのは「深く傷つける事」のメタファーですし、「吸血」はSEXのメタファーです。
ですから、実は本作は
「ある男が気になっているおとなしい女性を傷つけてしまった結果、彼女は自暴自棄になって男遊びに走ってしまう。罪の意識から彼女の言うとおりに合コンをセッティングしていた男だが、やがて二人の間に奇妙な信頼が生まれ、互いに恋に気付き純愛に発展する。」
というストレートなラブストーリーなんです。
ちょっと肉体破損描写があったり、ちょっとゾンビっぽいのが出たりするだけで本質は完全に良質なラブストーリーです。
だから恋を燃え上がらせる要素でしかない点、すなわち「何故ユキが吸血鬼になったのか?」「吸血鬼が増殖していって世界は大丈夫か?」という点は完全にスルーされます(笑)。だってラブストーリーの小道具に理屈もへったくれもないですもん(笑)。
DVDがツタヤにも置いてありますので、よかったら是非お手にとって見てみて下さい。グロいって言ってもモロに安い作り物がちょっと出るぐらいなので、ちょっと苦手なぐらいでも大丈夫ですよ。

中身刑事

こちらはビデオやDVDにはなっていません。昔「刑事(デカ)まつり」というイベント企画がありまして、そのなかで井口昇監督が撮った一本です。完全に出オチの悪ふざけなんですがこの15分という尺の中にこれでもかと下らないギャグネタを詰め込んできて変なニヤニヤ笑いが止まりません(笑)。この作品を見ると、エログロに頼らない井口昇の基礎能力の高さが良く分かります。オススメと言いたいのですが、なにせソフト化していないお蔵入り作品なので、目にするのは難しいかも知れません。
悪い事言いませんから、渋谷の近くの方は5月2日のシアターNで21時からやる再上映に行っといた方が良いですよ。次にいつ上映するか分かりませんから。本当は「刑事まつり」のDVDボックスでも出して欲しいんですけど、、、、やっぱ権利上難しいですよね、、、残念です。

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