ゴーストバスターズ(2016)

ゴーストバスターズ(2016)

今日は2本です。1本目は

「ゴーストバスターズ(2016)」です。

評価:(8/100点) – イケイケおばちゃんのコスプレ・コント


【あらすじ】

女教授のエリンは、コロンビア大学で終身雇用を獲得しようとしていた。しかしある日、ゴーストが出たので助けて欲しいという謎の紳士の訪問で、かつて自分が友人と共同で書いた「GHOSTS FROM OUR PAST」というオカルト幽霊本がまだ売られていることに気付く。オカルト本を書いていたことがバレると自分の地位が危なくなると思ったエリンは、共同著者のかつての親友アビーの元を訪れる、、、。

【三幕構成】

第1幕 -> GHOSTS FROM OUR PASTと幽霊屋敷
 ※第1ターニングポイント -> 最初の幽霊にあい、大学をクビになる
第2幕 -> ゴーストバスターズの結成
 ※第2ターニングポイント -> ローワンの死
第3幕 -> ニューヨークを救え!


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【感想】

今日の一本目はゴーストバスターズです。私の世代にはまさにど真ん中、ハリウッド80’sを代表する大傑作「ゴーストバスターズ(1984)」のリブート版です。私も一時期携帯電話の待ち受け画面がロゴだったことがある大好きなシリーズです(笑)。マジで冗談で無く、テレビ放送を録画したVHSを擦り切れるまで見ました。公開二日目の最初の土曜ですので、完全に客席が埋まってました。私の隣は小学生ぐらいの子供3人が子供だけで見に来ていて、とても嬉しくなりました。是非これをきっかけにオリジナル版も見てくれないかなと願ってやみません。そういう意味では、オリジナル版への興味を若い子達に持たせるという意味だけで、この映画の存在価値はあると思います。
ここから私はいつものようにガンガングチりますが(笑)、そんなことは気にせず、是非見に行ってください。

私のグチを聞いてけれ。

今回のゴーストバスターズですが、リメイク/リブートというよりは、往年のゴーストバスターズを元ネタに使った別個の同人コメディ映画になっています。海外ではゴーストバスターズのメンバーを全員女性にしたことで色々盛り上がってるみたいですが、私の感想としてはそこ以上に全体的にあんま愛が感じられないというか、あんまり制作側の熱量を感じませんでした。

1つ目の残念なポイントは、そもそもこの映画にドラマが何もないことです。チーム結成ものにもかかわらず、チームの結束が強くなったり、コンビネーションで合体技が出たりということがありません。そもそもみんな登場した段階で結構いい大人なので、成長要素がないんですね。天才発明家・ホルツマンが都合のいい道具を何でもすぐに発明しまして、それをメンバーがバンバン使います。そこにカタルシスやドラマは全くありません。みんな道具を労せず使いこなすし、ピンチらしいピンチもろくにありません。これですね、ゴーストが強くない&ゴーストバスターズのメンバーが苦労もせず強すぎるということで、単なるオリジナル版のコスプレをしてそれっぽいことやってるだけのノリノリおばちゃんを見る映画なんですね。これはキツい。これが素人が作ったファンムービーなら笑って済ませられるのですが、仮にもプロの仕事としてちょっとコレはないだろうと思います。

2つ目はゴーストの扱いです。本作のゴーストは全て敵役の人間・ローワンが1人で召喚します。すなわち、ローワンがゴーストのテッペンにいて、オバケたちはその下でいいように利用されているんですね。言うこと聞いてたり聞いてなかったりなんですが、それってなんかオバケものとしてはショボすぎませんか?ハッタリでいいからローワンが魔王の生まれ変わりとか、実はズールのしもべだとか、はたまた何かに乗り移られているとか、なんかこう彼の上に一体オバケを置いて欲しいんです。結局ラスボスが人間ってどうよ、、、っていうね。結局はお化けよりも冴えない人間の男の方が怖いのだ、、、ってそれないでしょう。仮にも「ゴーストバスターズ(お化け退治屋)」なんだから。

こういったことがありまして、私は単独映画としての本作を一切評価しません。CGがちょっと豪華なだけで、映画の中身には価値がないと思います。

少なくとも男はターゲットじゃない

一応海外でのフェミニズム的な話に触れておきます。本作は完全に女性向けです。というか男性差別が強烈です。クリス・ヘムズワース扮するケヴィンは「身体がいいだけで頭空っぽ&電話もロクに出られないバカ」として登場し、劇中では堂々と「彼は顔と身体だけあればいい」とセクハラされ三昧です。そしてもう一人の男「ブラッドリー市長」も完全に無能な狂言回しとして登場します。そして犯人はデブで冴えない根暗男子。べつに私はフェミニストじゃないのでこれについて怒るつもりはまったくないんですが、ここまであからさまに「オバちゃん目線」で描かれると、なんか別にこの映画自体がどうでもいいかな~と思えてきます。男は視聴のターゲットではないんでしょう。

一つ言いたいのは、この映画を見て「この映画のどこが男性蔑視だ!」と言ってる人たちは、私が好きな「チャーリーズ・エンジェル(2003)」や「トランスフォーマー(2007)」や「アナコンダvs殺人クロコダイル(2015)」に絶対に文句言うなよってことです(笑)。だって本作って男女ひっくり返せば、「冴えない男4人チームが頭の悪いブロンズ・スレンダーをアシスタントにしてセクハラしまくってブヒブヒ言ってる」って構図ですから。まぁそれって私の大好物な気がしますが(笑)。なので、怒りはしませんが、興味もありません。

【まとめ】

一応、オリジナル版のキャストやゴースト/アジトの消防署などが出てきますので、ファンサービスはできてます。できていますが、そもそものストーリー自体に愛が感じられないので、「これ出しときゃいいんでしょ!」みたいに見えて個人的にはあんまり喜べませんでした。オリジナル版のほうが100万倍面白いので、本作を映画館で見た後でオリジナルを見て、やっぱ良く出来てるな~と再認識して貰えると良いと思います。
本作の価値はそこだけです。

追記:2016年08月22日

この映画には「仲たがいしていた親友同士が友情を取り戻す」というドラマがちゃんとあるじゃないか!という感想を見かけたのでちょいと私なりの意見を書きたいと思います。
たしかにエリンとアビーは昔決別してます。アビーはずっーとゴーストの研究を続けていて、でも一方のエリンは「ゴーストがいるなんていったらキ○ガイに思われる」ってそれを否定して、二人は別々の道を行ったと。ところが本作の1幕目で、エリンは予告にも出てくる女幽霊と遭遇して、「Ghosts are real!!!(お化けは本当にいるんだ!!!)」って大興奮して、昔の価値観に戻ります。もうここで過去のわだかまりは全部溶けちゃってるんですね。友情を取り戻す事自体にドラマ性はなんにも無く、冒頭でサラっと描かれちゃってます。最後のほうでエリンが「もうアビーのことは見捨てないわ」みたいなこと言うんですが、そんなん映画始まってすぐから見捨ててないじゃん、、、ていうどっちらけっぷりでした。それを描くなら、映画の中盤以降のどこかで「いままで見たゴーストは全部夢だったんだ」みたいなことをエリンに言わせて、もう一回ゴーストの存在を否定させないといけないんです。それをやってないので、「仲たがいしていた親友同士が友情を取り戻す」という流れは、本作のドラマにはなっていません。

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